HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

山田無文師の「般若心経」を読み始める

先日の禅の展覧会で購入した山田無文師の「般若心経」を読み始めた。

hpo.hatenablog.com

般若心経

般若心経


浄土宗のお通夜に参列した。そのお坊さんが阿弥陀経について解いてくださった。「倶会一処」とおっしゃった。亡くなった方と、生きている時の一番の姿で、西方浄土でまた会えると。

シャリホツよ、ここに集まって私の話を聞いている者は、今まさに私の教えを実行に移すため、本当にかの国に生まれたいという心を起こすべきだよ。なぜなら、かの国で安心して生きている人々と共に同じ場所で生きていけるからなのだ。

そのためには「南無阿弥陀仏」と十度唱えろと。十度唱えれば、西方浄土に生まれ変われ、再び会えると。浄土では、もはや六道輪廻はないと。

シャリホツよ、もし良く聞く耳と聞く心を持っている人があって、阿弥陀仏の説かれる教えを聞いて、そうだと納得し、阿弥陀仏の名前をしっかりと心に刻み込み、一日でも、二日でも、三日でも、四日でも、五日でも、六日でも、七日でも、心を乱さず極楽の世界に生まれ住みたいと念ずれば、その人は命の尽きるとき、阿弥陀仏は諸々の仏さまと共にその人の前に現れ来たり、その人のまさに命を終わろうとするときに、慌てふためき錯乱することなく、直ちに阿弥陀仏の居られる極楽の国に生まれ行くことが出来るのだ。

仏説阿弥陀経を読み解く

宝石、黄金が敷き詰められ、水清らかで、光にあふれ、清浄な音楽が響く西方浄土のイメージは、現代の日本では事実上実現されていると行っても過言ではない。多くの人々は当時からは想像もつかないほど整備された都市インフラに住まい、きれいな水は蛇口を捻れば出てくるし、ネオンやLEDの光で24時間暗闇から解放され、いつでもどこでも音楽、テレビ番組を視聴することができる。多くの人々は飢餓から解放されている。医療も行き届いて、当時から見れば不老不死だと言える。70年に渡り戦争もない。

またシャリホツよ、かの仏さま (阿弥陀仏)には数えきることの出来ないほどの弟子がおられ、この弟子はみな阿羅漢というさとりを開いた仏さまなのだよ。その数は、最早数えることは出来ない。もろもろの教えを聞こうとしている人の数もまた同様に数えることは不可能だ。

それは、この国を支えてきた多くの先人のお陰。さとりをひらいたとも言える、多くの智恵ある方々のお陰でいまの私達の暮らしがある。

シャリホツよ、この仏さまの国には、人間の生み出す愚かな行いなどは存在しないのだ。

だが、残念ながら愚かな行いには満ちあふれている。どうすればいいのか?

山田無文師は明確にお答えになっているように想う。

彼岸は理想の国であります。しかも天国のように手の届かん世界でもなく、極楽浄土のように死んでから行くところでもなく、お互いが努力さえすれば、何か方法さえ企てれば行ける世界が彼岸なのであります。理想の世界ではあるが、現実を離れた世界ではない。お互いが工夫サエすれば必ず行ける世界が、向こうの岸であります。これが彼岸であります。
その向こう岸、理想の国に行くという意味が、「波羅蜜」であります。

よくよく実践の中での「般若心経」を目指して本書を読もう。