チェコの昔話を拝読した。
- 作者: カレル・ヤロミール・エルベン,アルトゥシ・シャイネル,木村有子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/11/14
- メディア: 単行本
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知り合いに勧められて読んだのだが、小学生だったころに絵本を読む気持ちで素直に読めた。
そもそも、この本との出合いは、私がプラハの
『金色の髪のお姫さま チェコの昔話集』が11月13日に刊行されます | prahakko日記
小学生だった時にさかのぼります。
同級生の家で初めてこの本を見た時の衝撃は
忘れられません。
美しいだけではない不気味な絵や不思議な絵、
怖い絵も随所に散りばめられていて、当時お話を
すらすらと読めたわけでなかった私でも、
とても想像をかきたてられました。
文字通りセンス・オブ・ワンダーがここにある。日常の世界の外の世界。お姫さまと王子さま、そして、異様なのっぽや、強力な目を持つ異人達の世界。また、この挿絵がとても印象的。子どもの頃の絵本にあった、自分にせまってくるようなリアリティとファンタジーのある絵だ。素晴らしいとしか言いようがない。また、挿絵に小道具や、模様に満ちていて、昔の方々がいかに豊かにチェコの童話をとらえていたかの一端を感じる。
ネットワーク論的に解釈すれば、「弱い紐帯」の価値ということか。
ちなみに一話目の「火の鳥とキツネのリシカ」を読んでいて、現代の事業継承につながる智恵がちゃんとあるのだと。王の生前のうちに国の領土の半分を後継者にゆずると。これは、現代で言えば企業の子会社を後継者に任せて育てるということか。イトーヨーカドーとセブンイレブンの関係かもしれない。あるいは、もっと身近にいくつの例を感じる。
グリム童話にとても近い。私に近しいところでは、「ひとうちななつ」というグリム童話にかなり近い。
いずれにせよ、読書している間は自分の子ども時代に帰れた。翻訳者の方に感謝もうしあげたい。