HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

密教のイコノグラフィー

密教って「絵」が大事なんだって実感した。

すぐわかるマンダラの仏たち[改訂版]

すぐわかるマンダラの仏たち[改訂版]

不動明王なら不動明王を経文でも、マンダラでも、仏像としてでも、そのまま自分と一体なのだと体得することが入り口なのではないだろうか?この意味で、密教ってイコノグラフィーなんじゃないかと。

それにしても、著者の頼富本宏さんという方は言葉も明るく、図像の研究もすばらしい。チベット、インドの遺構まで調査して各仏の姿の起源を調べていらっしゃる。本書は一般向けの書としては、最高のマンダラ仏入門ではなかろうか。不動明王の起源と位置づけを初めて知った。

この本に「五大力」=「五大明王」の話しが詳しく書いてあることは以前書いた。そして、数日前に本書を車中で読みながら訪れた松島の「五大堂」が「五大明王」を奉っているから「五大堂」なのだとやっと気づかされた。

たぶん、今回が三回目、四回目の訪問なのに、なぜ歌舞伎を見たときに「五大力」の「五大」が「五大明王」であり、不動明王がその中心であることになぜ気づかなかったのだろう。

今日はたまたま法事があって「おんあぼきゃべーろしゃなまぼだらまにはんどまじんばらあらはりたやうん」と何度も唱えた。本書を読んでから、唱えていると心の中に五仏が浮かぶように感じられるから不思議。

amogha(アボキャ)は不空成就如来を、vairocana(ベイロシャノウ)は大日如来を、maha-mudra(マカボダラ)は阿閦如来を、mani(マニ)は宝生如来を、padme(ハンドマ)は阿弥陀如来を指すと解釈され、金剛界五仏五智如来)に対して光明を放つように祈願している真言である。

光明真言 - Wikipedia

祖母から教わった「光明真言」もまた「五大」なのだと。うーん、どこまでいっても「五大力」だ。

毘盧遮那仏       般若菩薩     不動明王   
阿閦仏     金剛薩捶菩薩     降三世明王   
宝生仏    金剛蔵王菩薩    軍荼利明王    
無量寿仏    文殊師利菩薩   大威徳明王    
不空成就仏    金剛牙菩薩   金剛夜叉明王    

あー、そういえばディズニーシーの「ミシカ」で、ミッキー、ドナルド、プルート、チップとデールグーフィーとが、愛、冒険、誠実、友情、笑いを代表しているというストーリーも五大力までさかのぼれるのかもしれない。

あああ、ここまで来ちゃえば、ゴレンジャー以来の「戦隊」ものも五大力かも!!!