ガルブレイスは、企業の実質価値と株価の差である「バブル」を見抜き売り浴びせる手法を考案した経済学者を風刺をこめて小説にした。「ハーヴァード経済学教授」だ。
- 作者: ジョン・K.ガルブレイス,吉田利子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1991/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
しかし、実は商品でも、会社でも、人に多く期待されることがその企業の価値なのではないだろうか?PCしか作っていなかったアップルから誰がiPodがでることを予測しただろうか?誰が長期の日本の不景気の中で、都市再開発が進みREIT株が持てはやされ、逆に電機各社がこれだけ苦境におちいることを予測しただろうか?企業の先行きというのは本当にわからない。わからない中で、よい意味で人の予測や期待を裏切る会社こそが「バブル」を持つといっていいのではないだろうか?
その「バブル」をつぶすことが本当に正義なのか?
企業価値は人に期待されることで膨らむ。期待されない企業は繁栄できない。
■不適切な発言をしたと反省
この小説が日本で発表されたのすら、もう20年近くも前。今回タレブが取った戦略もなにひとつ間違ってはいないし、すでに広く知られたものなのだろう。
彼らの使っている投資プログラムBlack Swan Protection Protocolは、out-of-the-moneyのオプションを買うことでリスクをヘッジするものだ。
指定されたページがみつかりませんでした - goo ブログ
ちょっと調べてみたらもう少し詳しく分析してくださった方がいた。笹山登生さん、ありがとうございます。
すなわち、90パーセントの損失の機会の恐れ、10パーセントの利益の機会の期待があっても、後者の10パーセントの利益の機会に、損失の100倍の利益の確保が可能なら、トータルでは、損失の10倍の利益を生みうる、という考え方である。
Sasayama’s Weblog » 金融恐慌下で巨利を得ているNassim Taleb氏のオプション戦略
これはまさに本書においてマーヴィン教授が開発した手法ではないだろうか?ま、マーヴィン教授は個別銘柄で勝負していたわけだ。しかし、投資戦略としてはどれだけ正しかろうが、小説の中でマーヴィン教授がさまざまな圧力で結局この戦略をあきらめざるを得なくなったように、現在の金融危機の中で適切な行動だといえるのだろうか?
コークウェル氏は今後の先行きについて、「高失業率、貧困の拡大、そして企業倒産の増加が予想される。生活が破たんした市民の増加は深刻な社会的動揺を招く」と悲観的な見方をする。一方でコークウェル氏は、仮に最悪の事態となれば「私は大きな利益を得ることになる」と豪語した。
空売りで大成功の英の個人投資家、「危機に愛情を感じる」 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
私はid:NOV1975さんの意見にエールを送りたい。
利益が出るのは株式市場が機能しているうちだけだよね。
空売りで儲けようとする奴は逆日歩で死んじゃえばいいのに - novtan別館
まさに一定の範囲内で市場が下がることに賭ける連中がいても痛くもかゆくもないが、企業は常に過大に評価されたいと願っているのが、その本質。誰もがコークウェルさんやタレブさんのように行動しはじめたら株式市場自体が機能しなくなるだろう。その思いが私の過度に下品なコメントにつながってしまった。不快な想いをされた方にお詫びしたい。
Taleb自身がどれだけシステムを作りこんでも、それは相対的なシステムにすぎず、BlackSwanがすぐまいおりるとわかっているにもかかわらず、それをWhiteSwanと呼ぶとは言語道断、テラワロス^1000。
白い白鳥がいつ黒い白鳥になるかわからないのが今回の金融危機の本質。
指定されたページがみつかりませんでした - goo ブログ