街づくりをここまで地元主導で、かつ丹念にやっていらっしゃってすごいとしか言いようがない。
著者の猪谷さんのハフポストの記事は永久保存版。
何年も塩漬けにされ、「日本一高い雪捨場」と揶揄されていた駅前の町有地が今、年間100万人が訪れるエリアになろうとしている。公民連携によるまちづくり「オガールプロジェクト」を10年がかりで進めてきた岩手県紫波町。2017年4月に最後のエリアの整備が終了、その中核となる公民連携施設「オガールセンター」のグランドオープンを迎えた。
このエリアには保育園が開所。隣接するオガールセンターには、紫波町の「こどもセンター」や、小児科クリニック、病児保育施設、キッズ英会話教室が入居し、新たな町の子育て拠点として期待される。このほか、人気ベーカリー「メゾンカイザー」の起業家からアドバイスを得たパン屋や、アウトドアブランド「スノーピーク」などのショップもオープンした。
プロジェクトの本格始動から10年。これまでオガールプロジェクトでは、広場や図書館、役場庁舎、バレーボール専用体育館、ホテル、分譲住宅などを次々と整備してきた。オガールセンターの完成で、プロジェクトは一段落するが、「施設や町並みが完成しただけ」と、オガールプロジェクトの関係者たちは話す。全国から注目を集めるこの町で、何が起きているのか。この先には何があるのか。紫波町を訪ねた。
タイトルにもあるように、これだけのプロジェクトを土地の提供以外、補助金に頼らずに実行できたご手腕には感服するのみ。私も地方に住んでいて実感するのだが、住民・商工業者、行政、専門家・開発関係会社の三者が同じ方向を向いて地域の未来をデザインし、実現しようとする時、すばらしい力が発揮される。「公民連携」については、まだ勉強中だが今後さまざまな「形」が出てくることを期待したい。
戦争以上に人口が減っているにも関わらず、新たな人と人との絆、社会的紐帯を見いだせていない日本。少なくとも、地域のこうした試みが明日の未来につながると私は信じている。