HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

四苦八苦と医療、看護

先日、看護師になりたいという人と会った。話しをしていて、仏教の「四苦」、すなわり「生老病死」のいずれにも医療、看護が関わっていると気づいた。四苦とは、生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみの四つ。産助として、介護として、看護として、そして看取りとして、いずれにも看護師、医者は関わる。まして、現代社会においては、生老病死のいずれも医者があって初めて認められる。産科医として、福祉、訪問医療として、医者として、検死医として。特に、死に至っては「心肺停止状態」から死として認める権限をもっているのは、医者だけだ。

四苦八苦(しくはっく)とは、仏教における苦の分類。 苦とは、「苦しみ」のことではなく「思うようにならない」ことを意味する。
根本的な苦を生・老・病・死の四苦とし、 根本的な四つの思うがままにならないことに加え、
愛別離苦(あいべつりく) - 愛する者と別離すること
怨憎会苦(おんぞうえく) - 怨み憎んでいる者に会うこと
求不得苦(ぐふとくく) - 求める物が得られないこと
五蘊盛苦(ごうんじょうく) - 五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと
の四つの苦(思うようにならないこと)を合わせて八苦と呼ぶ。

四苦八苦 - Wikipedia

更に、最近では精神衛生の分野もこれに加わる。四苦、生老病死に加えて、「人間の肉体と精神が思うがままにならない」状態を指す八苦とはまさに精神衛生の分野ではないだろうか?

そうそう、それにごくごく私的なことだが先日、人間ドックに入った。一日コースだったが、初めて胃カメラを選択した。いやあ、苦しかった。平気でぐいぐいカメラのチューブを差し込んでくる医者に対して、背中をなでさすって「大丈夫ですよ、返事しなくていいですよ、もうすぐ終わりますからね」と声をかけ続けてくれた看護師さんが天使に見えた。

人の四苦八苦に正面から向き合うのだから、医療、看護の仕事を選ぶのは相当にしんどいのだと改めて感じた。こころから看護師になりたいというその方を応援したいと改めて思った。