HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

就職先がないなら、地方中小企業に就職すればいいのに

どうにも私には奨学金の返済問題が理解できない。金利を含めて誤解が多いように想える。

実際には、変動を選ぶと学生支援機構の有利子奨学金の方が(住宅ローンより)はるかに金利が低い。また、奨学金には有利子のものだけでなく、無利子のものもある。

奨学金金利3%「借金漬け」という誤報とレッテル - 本山勝寛: 学びのすすめ

この指摘をしているブログを書かれた方のご苦労がすごい。

私は「極貧」と言ってもいいであろう家庭環境の中で育った。高校1年から卒業まで親は家にいない状態で、アルバイトをしながら生活費を工面していた。日本育英会(当時、現在は日本学生支援機構)の奨学金も借りていた。高3になり受験勉強に本格的に取り組み始め、アルバイトを辞めざるを得なかったため、収入が月1万4000円の奨学金のみとなった。あらゆる節約をして、米とキャベツだけで飢えをしのいだ時期もある。もちろん塾や家庭教師に頼ることなどできなかったが、選びに選び抜いた参考書と問題集を奨学金から購入し、ボロボロになるまで使った。結果的に、東京大学に合格できた。

極貧の私は奨学金のおかけで東大・ハーバードに行けた - 本山勝寛: 学びのすすめ

どんな学生にも返還義務のない奨学金を提供するということは、この方のように苦労してでも大学を受験し、学費を払い続けてきた学生達や、親達への冒瀆ではないか?そもそも「奨学金を借りて大学にいく」ことの前提となる「大学行って当たり前」という発想に辟易する。大学に行けば、職業訓練を受けるチャンスも広がり、職業の選択の幅も増えるから行くことを決意したのではないだろうか?自分の将来の夢のためにハードルがあり、そこを超えたら高卒では選べない選択肢があるから大学にいくのではないだろうか?月数万の奨学金返済は、高卒でもきちんと仕事を選べば可能だ。奨学金の返済義務を負うと言うことは、そんなに過酷なことか?

私の知る限り、十分に地方の中小企業は人が採れていない。かなり苦戦している。採用にあたって、少なくとも初任給は大手企業並みでないと見向きもされないので、スターティングサラリーは軽く二百万円は超える。業績のよい会社を選べば賞与、残業代を含めた初任給額面総額で三百万円超えも不可能ではないだろう。なんとなく大学に進学し、なんとなく大企業でなければ就職したくないという程度の志なので、なんとなくフリーターになってしまうのではないだろうか?「自分には将来やりたいことがあるからコンビニでバイトしている」という方がいればぜひ教えて欲しい。