山岸俊男先生の「信頼の構造」を読み始める。桃知さんが強く進めていらっしゃったので、購入したと記憶する。なぜか、その後、ずっとページをひらかなかった。
アンケートや、実験なごを駆使した実践的な研究からいかのパラドックスを挑戦的に書いていらっしゃる。
「信頼が最も必要とされるのは、「常識的」には信頼がもっとも生まれにくい社会的不確実性の大きな状況においてであり、また「常識的」には信頼が最も育成さ れやすい安定した関係では信頼そのものが必要とされない。」
『信頼の構造』-信頼概念の整理 | Rob Thomson
これは、日本人とアメリカ人の他人への信頼を比較研究した結果だ。社会全体として信頼性が高いはずの日本では、人への信頼の期待が低く、他人の信頼性を低く評価しがちであると。対して、一度でも暮らしたことがあればわかる低信頼社会であるアメリカでは人への信頼性への期待が高く、他人の信頼性をきちんと評価する傾向があると。なんとも、不思議なパラドックスなのだが、信頼という概念を安心と分けてこれを山岸先生は説明している。
50を前にしたいまだからこそ取り組みたい一冊かもしれない。