HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

宇宙戦艦ヤマト BGM集

一気に、8才に戻って聴いた。ひとつひとつ、シーンが浮かぶ。幸せとは少年の日の夏休みの一日だと誰かが言っていた。それは、思い出して幸せだと感じられるものなのだとは想っていた。私にとっては、ヤマトに夢中になっていた少年の日こそ幸せな日であったのだと、50才を前に感じた。

YAMATO SOUND ALMANAC 1974-Ⅰ 宇宙戦艦ヤマト BGM集

YAMATO SOUND ALMANAC 1974-Ⅰ 宇宙戦艦ヤマト BGM集

  • ヤマト・スタジオ・オーケストラ
  • サウンドトラック
  • ¥1800

不時着したサーシァと、イスカンダルのスターシァのテーマフレーズ。ヤマトが土の中から蘇るシーンのテーマ曲。ブラックタイガーの発進シーンに使われた曲。作曲者の宮川泰さんがすごいなと想うのは、関連のあるシーンに使われた曲がメロディラインや、楽器が地球側、ガミラス、イスカンダルなど、関連性を持たせていること。テレビの仕事は相当に忙しく、時間がないに違いなのに、後に「交響組曲」と銘打ってもひとつもおかしくないほどよく組まれている。まして、40年が立ったいま、音楽だけを聴いても少しも古びていない。

改めて、感じるのは1974年に至る昭和40年代には、まだ太平洋戦争への「なぜ負けたんだ」、「悔しい」と感じるメンタリティが残っていたのだということ。遊星爆弾が地表面に住めないほどの「空襲」を受けている日本、いや、地球側がいまさら鉄くず以下の大和の残骸を宇宙戦艦のカバーアップに使う必要は毛頭ない。あれだけの構造体は大型のドックで建造するしかない。土の中で超長期、長調距離の宇宙飛行に耐えうる構造体などつくれるわけはない。作れても、二度手間三度手間。


宇宙戦艦ヤマトOP Full Ver (歌詞付) - YouTube

それでも、この発進シーンを見ていまだに涙できるというのは、当時の日本人の中にあった「今度こそは」、「土の中からでも戦艦、英霊が蘇ってきて日本を救う」という気持ちの部分に触れたからではないだろうか?