昨日のエントリーにid:hahnela03さんがつけてくださったリンク先のエントリーを拝読して、なるほどとうなってしまった。
例えば「会稽太守」に着任して統治をやるには、洛陽のポンプを押せば、自動的にうまくいく、ということはない。
いつか書きたい『三国志』
洛陽で盛大なお別れ会をやってから、苦労して着任し、彼自身の腕前を試される(自己駆動)。太守の支配は、一円支配でなく、点在した城市を個別に抑えるのみ(粒子系)。近隣の太守と、べったり協力するわけじゃない(粒子系)。命令は、洛陽から州牧から、一方通行で伝達される(非対象)。中央から地方への命令、という構造は、それほど難しくない(単純)。原則として、1郡には1人の太守しか着任できない(排除)。
というわけで、後漢の官僚による統治を、「自己駆動粒子系」の「非対象単純排除過程」で捉えるという試み。高速道路における車のふるまいと、官僚のふるまいを、比較して理解してゆきます。
これは相当に本ブログで追求してきた考え方と共鳴するものを感じる。
生物の法則性を示す活動の多くは、体内のネットワークで決定されるという。たとえば、生物の代謝については、心臓から毛細血管にいたる分岐の形がネットワークを決める。もし生物の代謝が内部の「物流」ネットワークの分岐の仕方できまるのなら、人間社会の代謝=経済活動も、社会ネットワーク分岐の仕方で決まるのではないか。資源を加工して個人が消費するところまで、逆に個人がお金を払ってそのお金が資源と交換されるまでの各経済主体の分岐の仕方がネットワークを決めるのではないだろうか。
経済の本質は物流か?情報流か?貨幣流か? - HPO機密日誌
ネットワークとそこに流れる情報、物質。そして、乱流、相転移、べき分布。その先につながるのは、渋滞学だとは思わなかった。
高速道路、血管
桃組とべき乗則コラボ勉強会のはじまり、はじまり - HPO機密日誌
根と幹、ハブ&スポーク型ネットワーク
幹と枝、分散型ネットワーク
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