三島由紀夫の時代精神のようなものが亡霊、幻影となってそれに続くクリエイターに影響を及ぼしているとぼんやり考えていた。いや、三島由紀夫に代表される60年代の亡霊というべきか。終戦の日、8月15日が戦後の原点であることを長谷川三千子氏が示してくれたので、押井守や、かわぐちかいじの作品の位相、位置が理解できた。
三島由紀夫の自決前の檄文に治安出動のことが書かれていたと。
四年前、私はひとり志を抱いて自衛隊に入り、その翌年には楯の会を結成した。楯の会の根本理念は、ひとえに自衛隊が目ざめる時、自衛隊を国軍、名誉ある国軍とするために、命を捨てようという決心にあつた。憲法改正がもはや議会制度下ではむずかしければ、治安出動こそその唯一の好機であり、われわれは治安出動の前衛となって命を捨て、国軍の礎石たらんとした。国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である。政体を警察力を以て守りきれない段階に来て、はじめて軍隊の出動によって国体が明らかになり、軍は建軍の本義を回復するであろう。
檄文(全)
終戦の日から三島由紀夫の自決を経て、初めて押井守が自衛隊と警察の対決をテーマにパトレイバーを撮ったのかが理解できる。
機動警察パトレイバー2 the Movie 治安部隊出動と不自然な街 - YouTube
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雪まで降ってくるのは、これもまた三島由紀夫の視点からの2.26事件へのオマージュであろうか。
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あるいは、三島由紀夫がカナダの放送局のインタビューに答え、「自衛隊の一部を国連軍として、核武装したい」と述べた。
1969年、カナダのテレビ局による、三島由紀夫の貴重なインタビュー - YouTube
沈黙の艦隊計画
沈黙の艦隊 - Wikipedia
別名SSSS(Silent Security Service from the Sea)。安全保障体制は強制力を持った世界政府を作れば確立することができるが、それだけでは核を廃絶することはできない。核兵器を持った世界の戦略原潜を国家から独立させ、すべての国に平等に核報復力を持たせる計画である。そうすれば地上戦力として核を所有する必要性はなくなり、小国も新たに核開発を始めることはなくなる。
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これはまだ私のごく狭い範囲内での作品の位相、位置づけにすぎない。まだまだ、三島由紀夫をひきづる作品はたくさんあるのだろう。そして、終戦から70年、三島の自決から40年経っても、新たな日本の位相、在り方を決められない私たちは、負け犬のままだ。
*1:文字がお好きな方へは、こちらを。
「東京および近県の視聴者の皆さんにこれから緊急放送をお送りします。テレビの近くにいる方はできるだけ多くの方に声をかけ、放送をご覧になるようご協力をお願いします。先程石川内閣官房長官は緊急記者会見を行い、首都圏の治安を維持し予測される最悪の事態に備えるため、陸上自衛隊内の信頼の置ける部隊に出動を要請したと発表しました。今回の要請について石川長官は次のような政府の公式見解を表明しました。一連の自衛隊関連事件について十分な検討を行なった結果、最早現在の警察力のみでは予測される最悪の事態に対応できないという判断に基づくものであり(中断)この決定を受けて現在配備が進んでいる部隊は、陸上自衛隊東部方面隊(中断)第1師団第1普通科連隊、同第31普通科連隊、同32普通科連隊、同第1特科連隊、同第1戦車大隊、富士教導団、同特科教導隊、同戦車教導隊、同普通科教導隊、同東部方面第1飛行隊」