HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「私の奴隷になりなさい」

最近、Kindleでポルノグラフィを読んでる。性的な内容は、あまり本ブログでは取り上げてこなかった。今回はある意味例外、番外。「私の奴隷になりなさい」、これはもしかすると現代の「O嬢の物語」かもしれない。

私の奴隷になりなさい (角川文庫)

私の奴隷になりなさい (角川文庫)

構成から言っても、よくできている。最後まで読んで、改めて読み直すと見事に矛盾がない。良い意味で裏切られる。

本書は、性的な意味で誰かに隷属することとは、すべてのこだわりを捨てることだと主張している。複雑化した現代を常識とは異なる形で精一杯いきるための教養小説だとも言える。「O嬢の物語」は、その序文に秘密が隠され、価値を高めた。その序文には、隷属することこそが自由なのだと書かれている。序文を書いたのが誰かが、ポリーヌ・レアージュの正体への手がかりだったのだとずいぶん大人になってから知った。本書の構造は、この序文の南米の奴隷からの解放を拒否した隷属状態の矛盾に匹敵する。

ま、内容はそこそこエロい。これを映像にしたら、単なるAVだろうと。割と過激なAVだ。

って、もう映像化されてた。

私の奴隷になりなさい [DVD]

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うわっ、エロ!

なんかちょっと台詞回しが、原作から外れてる気がするけど・・・。