多くの人には当たり前なことなのだろうけど、インフレターゲットを擁護する本書を読んでクルーグマンのすべての政策提言の基本はリベラルであり、大きな政府を前提にしているのだと知った。
- 作者: ポール・クルーグマン,山形浩生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
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まあ、実際読んでいるのはkindle版なのだが。
リーマンショック以来、不況が長引いているのは政府のせいだと。リーマンショックが起こるまでにも、共和党や、金持ちや銀行家よりの政治家が自由化を進めたせいだと。本来、この「自由化」は国全体の経済成長、不況脱出には不要でったと。そして、不況を長引かせたのも、不必要に財政赤字や、政府の国債を護る意図をもった人達がいたからだと。
確か「クルーグマン教授の経済入門」だったか、クルーグマンが「情報が十分に行き渡って世界では、銀行からの借金も、ボンドも、社債もみな同じコストになる」という意味のことを書いていた。銀行の存在価値などなくなっていくと。この発言の背景には、リベラルな信念があったのだと思う。
- 作者: ポールクルーグマン
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 文庫
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そう、そのクルーグマンに一番同調した政策をとったのが保守も保守の自民党総裁、安倍首相だというのが歴史のおもしろいところだ。
かつてブッシュ大統領に反対するリベラル派論者として、朝日新聞系メディアに持ち上げられたクルーグマンが、今はアベノミクスを称賛する。
クルーグマン、アベノミクスを称賛す NYT: Japan Steps Out|はみ唐さんの空手、コンサル、父子家庭日記
そして、クルーグマンがこれでさっさと不況を克服できるとするインフレターゲット政策に日本の左派は反対しているという。不思議だ、どうにも不思議だ。
昨年12/31の記事でも書いたように、金融政策による需要管理政策は本来はリベラルな政策であり、欧米では左派・リベラル派が主張する政策です。
岩田規久男日銀副総裁、黒田東彦日銀総裁誕生 - Baatarismの溜息通信