浜田宏一さんの「アメリカは日本経済の復活を知っている」を拝読している。この本以降、実際アベノミクスの出だしは悪くない。
- 作者: 浜田宏一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/19
- メディア: 単行本
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本書は、これまで必ずしも日本の経済学界隈で政策に反映されてこなかった方々に光りをあてている。彼等こそが国際的経済処方箋から見て正しいのだと。日銀人脈による、日銀人脈のための、日銀の「使命」をインフレ抑制においていると。そして、その面子を守るのためだけに、製造業や、一般の人々の生活を犠牲にしているのだと。
「結論からいおう。20年もの間デフレに苦しむ日本の不況は、ほぼすべてが日銀の金融政策に由来するものである。白川総裁は、アダム・スミスから数えても200年あまり、経済学の泰斗が営々と築き上げてきた。いわば「水は高いところから低いところに流れる」といった普遍の法則を無視している。世界孤高の「日銀流理論」を振りかざし、円高を招き、マネーの動きを阻害し、株安をつくり、失業や倒産を生み出している。年間三万人を超える自殺者も金融政策とまったく無関係ではない」
2012-12-21 - Economics Lovers Live ReF
日銀、反日銀の方々の旗幟もはっきりしてきた。
◆アベノミクス肯定派 ポール・クルーグマン(ノーベル経済学賞受賞) ジョセフ・スティグリッツ(ノーベル経済学賞受賞) 浜田宏一(イェール大学名誉教授) 藤井聡(京都大学教授) 宍戸駿太郎(筑波大学名誉教授)
https://twitter.com/Polaris_sky/status/295324746642513920
あえて、本書にたくさんのっている逆側の方々の名前は出さないが、浜田先生のこの疑問には思い当たる節がある。
円高で苦しんでいる企業、またその結果の株安で苦しんでいる証券会社などは、なぜ日本経済団体連合会や経済同友会などを通じて政府に注文をつけなかったのだろうか。
こういう団体の会に呼ぶ方って、「逆側」の人たちばかりで、浜田先生が光を向けた方々はこない。そもそも、こういう団体に日銀OBが強い影響をもっていたりする。逆に言えば、日銀がその気になれば日本の経済団体から、政治家から、かなりの影響力を行使できるのだろう。もっとも、白川総裁ですら「過激」だという発言もあるくらいだからなぁ。
白川総裁の任期も来年4月8日まで。後継人事がとても気になるところ。講演を頂いた方のお話しによると日銀OBの中では、白川総裁もかなり踏み込んだ政策をとっていると評価されているそうだ。安倍自民党総裁がいくら大胆な政策をとれる人を総裁にと主張してもこれ以上は無理ではないかとのことだった。
消費税は財政的に中立か? - HPO:機密日誌
■参照