HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「最後の恋」

いくつになっても、恋愛小説を読むのは楽しい。

最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

いつぞや男性の作家の恋愛のアンソロジーを読んだ。ほぼすべて不倫の恋で、年下の女との話し。どんなに小説として技巧をこらしていても、男はばかだ。「時間と金があれば、男は若い女との恋に走るものよ」と投げ捨てるようにいった元フライトアテンダントの人妻がいた。

女流作家の話しを読んでいると、女性の気持ちが伝わってくる。女性の恋に対する気持ち、男に対する想いは、男より深いように感じる。のぼぼとけであったり、不器用だけどまっすぐなまなざしであったり、においであったり、つまらない男の特徴だけで最後の恋と決められる。

いや、そんなことはない、女だって、十年もたてば恋などさめてしまうというかもしれない。そういう事例もたくさんみた。体験もした。それでも、女性の想いを信じたい。愛を交わしながらも、男のすり切れたスリッパを代えなくちゃと考える女。あるいは、二つへんじで「私が夫を世界で一番幸せにできると確信している」と答えた子連れのおかあさん達。

ごくごく普通の女性たちが世界をささえている。