HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

日本経済の「炉心緊急停止」

びっくりするほど資材が市場から消えた。どう商売をすればいいのだというくらい、国内産のさまざまな商材が手に入らない。

もちろん打つ手はうった。早めにオーダーを入れるとか、直接輸入、代替品を売るなど、考えられることはやった。なんとかなりそうだなという手応えもある。

びっくりしているのは、日本全国が巨大な経済の網の目にびったりと組み込まれていて、しかもすべてがカンバン方式というのか、仕掛かり、在庫がほぼゼロで動いていたという事実だ。メーカーからの出荷状況の報告によると、11日の震災後、10日分くらいのオーダーは遅れながらも出荷できるということだ。情報に詳しい人にも聞いてみたが、ほぼすべての工業製品の商品在庫が同じような状況だと言っていた。つまりは、生産の現場においては短いものだと数時間、長いものでも効率的な工場なら一週間程度しか在庫も、原材料もおいていないということだ。

この超効率的で、超高密度な経済ネットワークは、ブラックスワン的な意味での予想外の災害に弱いかが今回よくわかった。

それでも、人々が叡智としぶとさを発揮している場面を現在進行形でいくつもみているということだけは断言しておこう。