HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

暴れん坊の坂東太郎

利根川の堤防の近くに住んでいたので、母がまだ子どもの頃は決壊して洪水がおこるんじゃないかと恐い思いをなんどもしたしたという話しを昔よく聞かされた。もっとも、母の実家は水運を利用して木材を扱っていたので、利根川とは付き合いきるしかない運命にあった。なんども聞いているうちに、自分が利根川の決壊で雨の降る中避難生活をしたようなイメージの記憶すらもってしまった。

なぜそんなに利根川は洪水を起こしやすかったのか?ずっと疑問に思っていた。

今日、たまたま送られてきたある会報を見ていてその一端がわかった。


利根川の改流は、沿岸に大きな繁栄をもたらしたが、災厄も引き起こした。水害である。
改流以前の常陸側時代は、水害は20年に1回程度だったが、改流以後、中利根川・下利根川流域は毎年のよう水害を被るようになった。

(中略)

確かに、利根川の改流以後、江戸の水害は減少し、深川や本所などの湿地帯の開発も進んだ。その代わり、「排水路」となった利根川の下流域は水害多発エリアになってしまったということになる。「幕府は江戸を守ることを第一に考え、ほかの地域のことはあまり気にしなかったのでしょう」

千葉県はやはり江戸幕府の開闢以来、常に江戸を支える機能を担ってきたのだろう。それは、いまの空港問題にもつながっている。

ああ、それでももう利根川が叛乱することはない。現代の治水技術はすばらしい。

それに、空港問題にしても当初想定されていたような騒音はもうない。現代の航空機技術はすばらしい。

政治問題になったことがらでも、技術の進歩により解決してまったことは多い。それにもかかわらず政治的な主張だけは継続しているケースがあまりにも多い。時間とエネルギーの無駄だとしか想えないのだが。