HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

相続税強化は次世代への資産移転促進税制か?

今年度の税制大綱がしばらく前に出た。不景気な感じが払拭できない中、あいかわらず積みあがっている民間金融資産の出動が期待されている。あえて言えば、ますます年寄りは金持ちになり、若年層は貧困化している。ま、少しはその解消方向に動いている。

ちなみに、私は普通にフィナンシャルプランナーと宅地建物取引主任者建築士のレベルには、物事を理解はしているつもり。

結論から言えば、相続税が大幅に強化されてちょっとした小金持でも相続税の対象になるようになった。基本控除はいくらなんでもあまりだろうというくらい引き下げられている。一方で、生前贈与の枠組みは強化されたので、早めに孫や子どもに贈与するのは大幅に有利になっている。個人的には助かるのだが、問題は贈与が住宅や不動産の取得向けになっていること。贈与税の優遇も金額といい、対象といい家一軒分くらいは、相続させるけど、それ以上の金額は世代を超えて継承する必要なないだろうという発想が透けて見える。相続税最高税率は上がっているから、大金持ちには改悪だ。親の財産を投資しなおすとか、新たに企業することでは、贈与税の優遇を受けられない。これ以上不動産、建物にお金が向かうより、競争力をつけるベンチャーや、研究開発、あるいは株式市場への資金の流入が必要な気がするのだが、どうなのだろうか?

生保の相続税上の優遇がかなり縮小されたのが、ちょっと気になる。逆に、子どもに相続させるなら自分の代で使ってしまうか、寄付してしまうかという気にさせる部分もあるかもしれない。どうせ国にもっていかれて非効率に使われるなら、タイガーマスクのように直接役に立ててもらえるところにあげようと。

ま、気持ちを切り替え、子どもの側からすれば親から継承するのは、家の伝統や、自分の身につけてくれた教育なのだととらえる方が健全なのかもしれない。