「禅とオートバイ修理技術」を読み終わった。もっと時間をかけて読めばよかった。これは何度でも読みなおせる本だし、繰り返し読むべき本だ。
- 作者: ロバート・M.パーシグ,Robert M. Pirsig,五十嵐美克
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/02
- メディア: 文庫
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オートバイ修理で一番大事なことは、落ち着くことだということを納得するためだけでも、本書は価値がある。
「私」とはなんなのかは、この本を通じてかなり大きな問題だった。その意味では、友との対話はとても私にとって重要であった。
ぜひ、彼にこの本を最後まで読んで欲しい。パイドロスと「ナレーター」の関係を、異常心理を専門とする彼がどのように受け止めるのかとても興味深い。
「ローマ人の物語」の1巻、2巻のころから、ローマ人にとっての「徳(ヴィルドゥス)」が「力」を意味することがとてもとても納得できた。逆に、なぜ「徳」を重んじるローマ人がキリスト教に染まってしまったのかがやるせない疑問であった。
そのなぞが本書によって解き明かされるとは思わなかった。あまりにもギリシア・ローマの哲学の素養がないので、本書で展開されるソクラテスの二元論と、神話・徳・道・<<クオリティ>>の排斥という話がにわかに信じがたい。中埜先生の講義、認知心理学、経営の体験、ブログ、禅が本書の中でつながってしまったのが、恐ろしい。
この話を正面から書けるだけの力がほしい。