労働時間でものの価値が決まるのなら、人の時間の量だけですべては決まる。時間の量だけで価値が決まるのなら、計画経済は可能になる。尺度がひとつだけだからだ。
芸術言語論で言葉の価値とは、作者の本質があらわれた一節にあると言っていた。その人の底の底に触れるのは一瞬の時間かもしれない、永遠の時間かもしれない。いずれによせい、価値とはその作品にかけた時間でないことが証明できたのなら、人は自由でなければならない。人の時間の密度は濃かったり、薄かったりする。人の時間をどう使う方はその人の自由だ。人の時間と価値をひとつの尺度に集約できないなら、一意に「公共の福祉」は計画できない。
ハイエクを読みながら、NHKでみた吉本を思い出した。
- 作者: エイモンバトラー,鹿島信吾,清水元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/04
- メディア: 単行本
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