白洲正子を読み続けている。
- 作者: 白洲正子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02/28
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
もういい加減にしないとと思いながら、語られる歌や能の美しさにページを閉じることができない。「夢現つの境」という章の白洲雅子自身が病のためにうつつの世界にいってしまうくだりは、往年の倉橋由美子を思い出させる。老女であっても、白洲の中には美しい世界が秘められていた。それは、「ガラスの仮面」で紅天女を演じる月影先生の美しさだ。
- 作者: 倉橋由美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
能がこんなにも耽美なものであり、さまざまな形の愛憎をテーマにしているのだとは知らなかった。女性が好むのもわかる。女性の価値観の柱の一つは実は所作や言葉や外見の生み出す色気なのではないだろうか?白洲正子をして、一時の少年の現実離れした美しさなどと言わしめるほど、女性の人の観方の底には色気がおかれているように思う。そして、愛憎関係というドラマにおいてこそ色気は最大に発揮される。
ま、それはともかく。少々、流れが違うな、これは男色という単に耽美なことを論じているのではなく、とても深いところへ通じるのだと感じたのは、南方熊楠について書かれた章であった。「男の浄道」という言葉で南方が示したかったものはなんなのか?さすがにここに書くのははばかられるが、女性からめでられる色気でとどまる次元のものでない。
しかし、グーグルで「南方熊楠」を調べようとしたら、候補が「南方熊楠 男色」と出るのはいかがなものか?
■Twitterの威力
いろいろTwitさせていただいて、Twitをいただいて少し先へ進めた気がする。それは、本書がすすめようとしたところにあるのは、色気や性差が消え果た先にある男らしさ、女らしさだ。
それは、たぶん女性でも同じで白洲正子が80歳で死ぬか生きるかで見た世界は性差ではなく女性の世界なんだろうと。
Twitter
それは、ひとつ前のエントリーにもつながる。
"Learn yourself, learn myself."
それは、id:godmotherさんが嘆かれるように、人にも127.0.0.1、ループバックが必要だということだ。
Twitterはやはりそのセッションが大切なようで、時間がたったいま書いてみてもなにか焦点をうしなっているような気がしてならない。