HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

歩いて、泳いで、スプートニクで

昨日はほんとうにひさしぶりに泳ぎに行った。張り切ってプールサイドにいくと、初心者用のレーンしか空いてなかった。「25m歩いて、25m泳いで」という指示板があるレーン。実は昔水泳部であったので、プールに来るとどうしても真剣に泳いでしまう。筋力も肺活量も往事とは比べ物にならないのに、泳ぎ方は変えられない。だから、長い距離を全然泳げないのが常であった。

初心者用のレーンで、半分泳いで、半分歩くと実に良い加減で力を抜くことができた。ああ、そういえばこんなにゆったりした心持ちになれたのは何年ぶりだろうかと想えた。

私は、高校生くらいからひたすら走ってたような気がする。実家を出てから常に自分と自分の状況に対する危機感みたいのが、私を駆り立てて来た。歌ううたすら「ランナー」とか*1、「リゲイン」とか*2、「血管がぶち切れそうな」歌ばかりだった。日常においても、ここまでの間の途中何年かはいま現在思い出せない部分がある。それくらい、忙しいこともあった。例の件で敗北を味ったばかりで不謹慎だが、目先のことをあれやこれやと考える必要なく、ただ歩いて、ただ泳ぐだけでいいという感覚が新鮮だった。

それもこれも私の周りの方々のお陰だ。ほんとうに感謝しないと。どこまでもこの恩の前で謙虚でありたい。このためにこそ、自分のすべてを現したい。半分歩いて、半分泳いで、時には走って。

指定BGM:ANIMAL INDEX by moon riders

歩いて、車で、スプートニクで spiral: HPO:個人的な意見 ココログ版

■追記

別のエントリーにトラックバックをいただいた。

私はこの作業を開始する前は一体何をしていたのだろうかと、ぴたっと足が止まってしまいました。こういう時、元に戻すということではなく、せっかくですからこれからどうするかという方向と、何がしたいかということで考えて行きたいと思います。

枝豆とチーズのゼラチン寄せと生ハムの冷製: godmotherの料理レシピ日記

なにかかけていたことが終わったときに感じることって結構共通なのだなと感じさせていただいた。スプートニクではなく、アポロの話だが、地球の引力を脱し、月の引力圏へ入るところの調整がとても大切だと聞いた。ひとつのことがおわって次へ向かうときの軌道修正こそが大事なのかもしれない。そして、私もその軌道修正の時期にいるのだろう。

「とにかくこれから逃げない自分」というのも通じるものがある。実は上に書いたように、高校生になったときに家を出て寮に入った。寮では、ま、当時のことだからいろいろな経験をさせていただいた。その中で、おっくうと思うことがあまりなくなったように感じる。箱入り息子だったので、休日が暮れていくとなんともつらい感じが中学生くらいまでしていたのが、どんなに早く起きることでも、どんなに毎日が繰り返しであっても焦ったり、つらかったりする感覚というのはなくなった。まさに日常こそが精神を鍛えるのだろう。

それにしてもおいしそう!

*1:そういえばさっき九段下を通った。

*2:牛若丸三郎なんていまの子たちは知らないんだろうな。