シュミットの「内敵宣言」とはそのままネット界隈に当てはまる。
- 作者: C.シュミット,田中浩,原田武雄
- 出版社/メーカー: 未来社
- 発売日: 1970
- メディア: 単行本
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「この国家内部における平和の不可欠性からの結論として、危機的状況にさいして、政治的単位としての国家が存続するかぎり、それは、主体的に「内敵」をも決定する、ということがでてくる、それゆえ、ギリシア共和国の国宝が、内敵宣言として、またローマの国法が内的宣言として認めていたものが、なんらかの形で、あらゆる国家に存在するのである。追放とか破門とか人権剥奪とか法的保護の停止とか、要するに国内的対敵宣言のさまざまなの形―苛酷な、あるいは穏びんな、直接適用され、あるいは特別法にもとづいて法律の形で効力を発する、むきだしの、あるいは一般的表現の影に隠された―が存在するのである。」(p.49)
ノート―シュミット | T.M.'s Space
一定規模以上の集団を維持するためには、「友と敵」の区別を明確にするしかまとまらない。なんとも情けない話しだが、人類の行動様式がそうなっているのだから仕方がない。そして、「友と敵」の区別を明確にするとは、規範を「友」の間で共有するしかない。規範を押し付けるということは、集団内の個人であっても規範に従わない者は「敵」だと宣言し、明確にこれを排除するしかない。いやな世の中だ。