HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

放浪息子の帰還

タイトルは全くの思い付き。

なんか「よんじまったぜぃ!」って感じ。

放浪息子 (1) (BEAM COMIX)

放浪息子 (1) (BEAM COMIX)

昔、新宿二丁目の「黒鳥の湖」に行った。

もう本当にむかしむかしの話しだから、書いてしまうが、すばらしいショウだった。

コミカルなものもあったが「サロメ」をモチーフにした題目が素晴らしかった。オスカー・ワイルドへのオマージュだったのか?

総毛だつあやしげなものを確かに感じた。

似たような感慨をスーパー歌舞伎「タケル」のくまその花籠を載せた娘たちに感じた。あるいは、なんといったか玉三郎の出た泉鏡花原作の映画*1も美しかった。

本書の作者の志村貴子という方がどんな人かは知らないが、そうした妖しさを味わいたいという志向を感じる。そのために「千葉さん」がこの物語には組み込まれているのだろう。性的に成熟するまえのゆらぎのような妖しさを、あたかも「風と木の詩」を読む女子高生のように観賞しているように感じる。

マルコさん、ご推薦ありがとうございました!

*1:確かに泉鏡花だと思っただのが、探しても出てこない。「天主物語」を玉三郎が演じたのはどうも舞台だけらしい。私の記憶の中では、たぶん60年くらいのテクニカラーっぽいような色合いで、最後に瀑布を背景に玉三郎演じるお姫様が雲かなにかに載って飛んでいくシーンで終わったと思う。はてなで聞いてみるかな? 
→ 答えがわかった。http://d.hatena.ne.jp/hihi01/20070707/p1