妻に言われるまで自分が自分をペンギンに重ねてみていると思わなかった。
ペンギンが実に優美に水の中ではばたくのを見るのが好きだった。飛べない鳥だと思っていたペンギンが実に見事に水の中で飛んでいた。少々運動が苦手だったが、水泳が得意だった自分とペンギンを重ね合わせているのではないかという気はしていた。
自分がどこか不器用な人間であるという認識はあった。ただ、たとえばネットとか、たとえば営業の場面とか、特定の場面では世の中を泳げるような気がしていた。それを妻に「ペンギンって二重人格よね。」と見事に言い当てられてしまったような気がする。
「そう、あなたはふたご座だしね。私にもうそをついてる?」
orz