「人間の建設」を感激をもって読了した。特に感動したのはこの部分。
- 作者: 小林秀雄,岡潔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 88回
- この商品を含むブログ (62件) を見る
数学は一というものを取り扱いません。しかし数学者が数学をやっているときに、その(生後十八ヶ月)ころできた一というものを生理的につかっているんじゃあるまいかと想像します。しかし数学者はあるかないかわからないような、架空のものとして数体系を扱っているのではありません。自分にはわかりませんが、内容をもって取り扱っているのです。
(中略)
私がいま立ち上がりますね。そうすると全身四百幾らの筋肉がとっさに統一的に働くのです。そういうのが一というものです。
見事としていいようがない。
1の定義を探してみたが、どうもみつからない。
自然数 - Wikipedia
- 自然数 1 が存在する。
「集合」ですら、岡潔のいうように「全身四百幾らの筋肉がとっさに統一的に働く」というように、なにをもって集合とするかは、自分の感覚以外のなにものでもない。
こういう数学なら数学の根本の根本に疑問をもちながら仕事をしている人は本当の意味で信頼できる人だと想う。