HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

絶食中

さすがに朝は食べるつもりだった。いつのまにかシャワーをいつもより余裕をかまして浴びてしまったらしい。朝のシャワータイムは、私の一日の中の唯一のグルーミングタイムだ。昨日、酒も飲まずにぐっすり寝たからだろうか。いつもよりもシャワーが気持ちよかった。心もちヒゲもスムーズに剃れた。うーん、マンダム、なんていっても子供たちは誰も知らないだろうな・・・。シャワーから出たら、もう出かけなければならない時間だった。まだゆげの立っている朝食を名残惜しげに睨みつけながら、家を出た。

昼はある団体の昼食会だった。いいお年のみなさんが一緒に昼を食べることをとても大切にする会。おじさんたちがおいしそうにランチしている様子を、絶食中の私は見たいわけもない。わざとらしく時間ぎりぎりに会場に到着した。ボーイさんに「昼は抜くので、お汁だけください」とわがまま言った。会合の間は気が紛れるし、薄いとはいえあたたかいものが胃の中にはいっていると落ち着いていられた。

午後に訪問した先で、禁断のセブンイレブンのおいしいプリンが出たのは誤算だった。プリン・・・、確か乳製品はだめと言われた気もする。でも、すでに温かいお汁が過去のものになっていた私のお腹具合は容赦がなかった。まわりから「むさぼるように食べてるね」とからかわれながらも、プリンを完食した。

夕方、スタッフのある表彰式と記念会食に出ようとした寸前に、呼び止められてしまった。もっとも、おいしいごちそうを前に何も食べずに、水だけ飲むことになりかねなかったのラッキーと一瞬思った。しかし、すでに空腹中枢が大脳に直結してしまっていて、スタッフから相談されてもなにひとつ理性的な判断ができなかった。自分がいかに胃袋で考えているかわかる。これからは女性は、○○で考えているとか茶々を入れるのをよそうっと。いつも、お腹の気持ちがよくなる方に、判断を下しているかよぉーくわかった。ビジネスのロジックが立っているねと、人から言われるのが唯一の褒め言葉だと自負してきた。しかし、しかし、しかし、空腹中枢が大脳と直結している今、お腹が空いた、絶食なんていますぐ止めたいということ以外考えられない。私のロジックなんてその程度のもんなんだと、窓をあけて叫びたい衝動に駆られる。うん、きっと○○中の女性よりたちが悪い、今の私は。

これから今日最後の会合。せいぜい、自重しないと。年長の方ばかりの中で、発狂してしまったらどうしよう。