現代の軍事戦略とは相手にいかにお金を使わせるかにかかっている。
ポール・ケネディの「大国の興亡」は、近現代戦においてはいかに自国を守る兵器を大きく見せ、相手の投資をさそいこんで自滅させるかにかかっているということを立証した本だと私は思っている。
決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉
- 作者: ポールケネディ,Paul Kennedy,鈴木主税
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
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決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈下巻〉
- 作者: ポールケネディ,Paul Kennedy,鈴木主税
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
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今回のミサイル開発は北朝鮮にとって決死の一発であったことを知るべきだ。
予想される開発費の幅が大きいのは、宇宙開発技術が一定軌道に乗っている韓国と周辺国の衛星開発費用を考慮すると最低2000億ウォンと推定されるが、北朝鮮の科学技術水準を考慮するとこれより2倍以上必要になるとの見方のためだ。
Redirecting...
今回なぜ破壊命令がでていたにもかかわらず迎撃しなかったのが、私にはわからない。
現在のBMDの整備計画の総額は約8000億円に達し、年間約1400億円が支出されているのである。
防衛研究所ニュース 2007年8・9月合併号(通算114号) ブリーフィング・メモ ミサイル防衛の現状と課題
イージス艦への投資を加えれば、軽く兆円単位の投資となる。これだけの投資をしていても、今回のミサイル騒動で威力を発揮していれば、300発を超えるともいわれる北朝鮮に配置されているノドンを無力化することができ、おつりがきたた。かつ、それ以上の兵器開発、投資をしなければならない羽目に北朝鮮がなることになる。
国際研究機関が31日に発行した北朝鮮のミサイルに関する報告書で、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」を最大320基、実戦配備した可能性があることを明らかにしました。
報告書は、国際研究機関「インターナショナル・クライシス・グループ」が発行したもので、この中で、東京も射程に入るとされる中距離弾道ミサイル「ノドン」が最大で320基、実戦配備された可能性があるとしています。
また、「情報筋は、北朝鮮が最近ノドンに搭載するための核弾頭を製造し、配備したと見ている」としました。
北東アジア事務所のスタッフは、「小型化で最近、進展があった」という情報について触れた上で、核弾頭について次のように述べました。
「(核弾頭の数は)大体5から8とみられています。ノドン・ミサイルは日本にとって深刻な脅威です」(「インターナショナル・クライシス・グループ」 北東アジア事務所、ダニエル・ピンクストン氏)
報告書は、核弾頭について北部の中国との国境近くに本部を置くノドン・ミサイル部隊近くに保管されている可能性があるとしています。(01日17:14)
「ノドン」320基配備か、研究機関報告 @ TBSニュース(キャッシュ)
これでは逆に日本の方がより多くの防衛投資をMDに振り向けざるを得ない状況に陥りかねない。逆にミサイルの射程を伸ばすまたとないデモンストレーションの場を得た北朝鮮には兵器投資が集中するのではないだろうか?
二重三重の意味でミサイルを撃ち落とさなかった意志決定は残念でならない。それとも、これは米国の次の一手と日本へのくびき強化という深慮遠謀によるものなのだろうか?
それでも、これから議論がいろいろ出てくるのだろうか。
ついでに参考まで。