構造力学に弾性領域と塑性領域というのが出てくる。弾性領域とは、力が加わって部材がまがっても自律的に反発して元に戻れる領域。塑性領域というのは、もうもとには戻るだけの力は部材にはないければ力が加わっても抵抗するだけの力が残っている領域。ちなみに男性領域から塑性領域にはいるポイントを降伏点という。鉄骨部材などの粘り強い材質の部材は、降伏点を過ぎてもより大きな力でもぶちきれずにいれる。そして、耐えられる力を過ぎても力が加わっていくと崩壊する。このぶっちぎれる力と降伏点の比を降伏比という。鉄筋コンクリート部材は降伏点はかなり高いが、地震で崩壊した鉄筋コンクリートの建物を想像してもらえばわかるように一度塑性域にはいってしまうと後は弱い。これを降伏比が大きい建物だという。
これを経済にたとえれば、企業別とか、国別に降伏比が出せるのではないだろうか?日本型とか降伏点は高いが降伏比が大きく塑性領域にはいってからあまり抵抗できなさげな鉄筋コンクリート型経済だし、米国とかは塑性領域にはいってもかなりしぶとく粘る鉄骨造型経済なのではないか?
■余談
そうそう、コンクリートのJIS適合が問題になっているけど、高流動コンクリートとか躯体に使っているけど、JIS基準がそもそも存在したっけ?今回の話はスラグを使うことをあれだけエココンクリートと持ち上げて推奨していたのに、一転手のひらを返したように思えたならないのは私だけだろうか?
■その後
某所で規格についておしえていただいた。
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
■さらにその後
JISが追い付いていないコンクリート製品については、法37条第二項の大臣認定をとるのが普通なのだそうだ。今回の事件でも大臣認定をとっておけばこんなことにはならなかったということか。
二 前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの
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