HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

たらいの中のくじら

ものごとってのは、なんでも範囲がある。しかし、私をはじめ多くの人はお調子のりなので、ついつい当初は明快だった限界を超えようとしてしまう。なんでも分をわきまえないとカタストロフがまっている。

「出来ぬ約束をしない」オペレーションリサーチの基本は不等式で囲まれて空間であり、常に範囲が設定されている。オレンジカウンティーとかでもデリバティブはそこんとこをわすれがち。今回のサブプライムもそう。

はてなブックマーク - 404 Blog Not Found:誠実は力なり

昨日、Danさんのエントリーを読ませていただいてはるか昔に習った事を思い出した。おさらいしておこう。

オペレーションズ・リサーチ(operations research、米)、オペレーショナル・リサーチ(operational research、英)あるいはORは、数学的・統計的モデル、アルゴリズムの利用によって、複雑なシステムの分析などにおける意思決定を支援し、また意思決定の根拠を他人に説明するためのツールである。

オペレーションズ・リサーチ - Wikipedia

で、私が言いたかったのは線形計画法というORのごく一分野なのだと分かった。

線形計画法(せんけいけいかくほう LP; linear programming )とは、いくつかの1次不等式および1次等式を満たす変数の値の中で、ある1次式を最大化または最小化する値を求める方法である。

線型計画法 - Wikipedia

ま、今日は忙しいので、とりあえずそこまで。

余裕ができたので、典型例を...

オレンジカウンティー事件というのは1994年にカリフォルニア州の裕福な自治体(AA格)がデリバティブを多用した資金運用によって多額の損失を出して米国破産法チャプター9の申請(すなわち破産)にいたったものです。ここで使われていたのは逆フローター債券と呼ばれる「金利が下がると多くの利息が入る(そしてその逆も生じる)」仕組み債券でしたが、結局短期金利が上がらないという見込みが大はずれして、レバレッジのかかったポジションが14億ドルの損失につながったというオソマツ。

自治体のデリバティブ利用による資金調達 厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)/ウェブリブログ

wikipeidaでも似たようなもの。

A spectacular investment fund melt-down in 1994 led to the criminal prosecution of County of Orange treasurer Robert Citron. The county lost at least $1.5 billion through high-risk investments in derivatives.[5] On December 6, 1994, the County of Orange declared Chapter 9 bankruptcy,[5] from which it emerged in June 1995. The Orange County bankruptcy was the largest municipal bankruptcy in U.S. history.[5]

Orange County, California - Wikipedia, the free encyclopedia

私の記憶が正しければ、当時ほんの数千万ドル単位でしか運用されていなかったフローター市場に数百万ドル単位の損失を出した財務官が市場規模を超えて突っ込んでしまい、かつ金利も上がらずに期限フローターの期限が到来したというプロセスではなかったか。まさに「たらいの中」に「くじら」をはなってしまった例であったはず。

同様のことがとてつもない規模でおこりつつあるのではないかといういやな予感がするのが現在の経済状況かな、と。


■参照

誰よりもそれを評価するのは、そう。金の貸し手。Credit Record というのは強さの証ではなく誠実さの証。「借金も信用のうち」どころか「借金が信用」なのがこの社会。無借金経営は「強い経営」ではあるけれども「誠実な経営」ではない。現金決済に誠実は不要なのだから。それが現金決済のよさでもある。

404 Blog Not Found:誠実は力なり