ももちさんの記事を読ませていただき、非常にインスパイされるものを感じた。
建設業の三位一体から必然的に導かれる結論のひとつはマッシュアップという概念、方法論だ。
マッシュアップとは、IT用語としては、複数の異なる提供元の技術やコンテンツを複合させて新しいサービスを形作ることである。複数のAPIを組み合わせて形成された、あたかもひとつのWebサービスであるかのような機能が、マッシュアップと呼ばれている。
マッシュアップとは (mashup): - IT用語辞典バイナリ
マッシュアップの前提条件は、地図でもメールでも各アプリケーションのインターフェイスを公開しただ乗りすることを敢えて許すことによりユーザーを爆発的に増やすことだと私は理解している。ももちさんの言葉でいえば、「純粋贈与」となるわけだ。
元々建設業者は世界最古の標準化に取り組んで来た技術者の末裔だ。軸組みの自由自在さの素晴らしさは言うまでもなく、古くはピラミッドの石だって、大きさの標準化ができてるからあれだけのものが建ったわけだ。現代においてもものづくりに関わりながらこれだけアウトソースできることはネットのAPIも真っ青の標準化がすでになされているからだ。かつ、そのアウトソースの業者間ネットワークの網の密度ととてつもないスケールフリーネットワークぶりは驚愕的だ。誰でも「なんであんたがここにいるんだ!」と叫んだことがこの業界の人間ならあるはずだ。
多分こうしたレイヤー構造、スケールフリーネットワークぶりがあまりに完璧すぎるので強いてWeb2.0に移行できずにいるのだろう。
もうそのキアムスの結びを乗り越えるべき時は来ている。
そうそう、この意味では藤沢久美さんの本こそ建設業者は読むべきだ。
建設会社の「自然」の定義を変えていくことが必要なわけだ。それは、本当にリアル自然なのだろうか?もしリアルな自然をこそ「自然」とするなら、それは建設業の先祖返りと言えよう。農業がなければ、建設は十分に発展しなかった。いや、いまでも農業土木は建設業の重要な一分野でありつづけている。
それとも、真反対に大手企業が群雄割拠する中でうまれるニッチな「事業環境」だろうか?
要は大手一人勝ち、社会不安定極限化の中で、生きていくには、ごくごく小さな会社が、大手会社が提供するインフラストラクチャーをマッシュアップ的に組み合わせることしかないのではないか?
リアル・オプションがあるなら、リアル・マッシュアップがあってもよいのではないか? - HPO:機密日誌