これまであまりに断片的だった日本の中世や対する理解がつながる。
- 作者: 五味文彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/04/26
- メディア: ハードカバー
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テーマの展開として紹介される中世の絵画三点のうち、一遍聖絵、洛中洛外図は、歴史民俗博物館展示により親しみがある。ことほどさように中世は現代と近くて遠い。文献や作品がおびただしく残っている意味では限りなく近い。しかし、分権的社会であり、地方民俗や宗教に対する感覚は理解が難しい部分がある。この意味では遠い。それでも、中世を理解しないと日本の日本たるゆえんが見えない。中央集権の近代、現代が理解できない。ゆめゆめ、日本の現代の形の否定として中世を使うことは、あってはならないが、それもこれも体系的な理解があったればこそだと。