大連に行くときに、なにか参考になればと持って行ったのが中山先生の「日本人の博愛精神」。

日本人の博愛精神――知られざる感動の11話(祥伝社新書238)
- 作者: 中山理
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2011/04/02
- メディア: 新書
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どれも大変すばらしい話しばかりで、感激した。日露戦争の話しはないなと、それでも想っていた。
後書きまで来て、なんと!そもそも本書を執筆する動機が乃木希典大将だったというのだ。
一番初めに目にとまったのが、明治の軍人乃木希典だった。当時、乃木の名声は日本国内だけでなく、海外にまで鳴り響いていた。今で言えば、国際的通用性を備えた日本人だったと言えるだろう。
そして、数ページにわたって「水師営の会見」の歌や、ウォシュバンという米国人記者の「乃木大将と日本人」などを紹介している。

- 作者: スタンレー・ウォシュバン,目黒真澄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1980/01/08
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実際、現地に行ってみると、乃木大将の苦悩が伝わるように感じた。バルチック艦隊が来る前に203高地を落とせという中央からの指令に、正面攻撃を避けたかったと主張したという話しを聞いた。実際には、東鶏冠山を落とすだけでも4000mものトンネルを掘り、爆薬をしかけて1.5mにも及び無筋コンクリートのトーチカを落とした。ここを落とせたからこそ、その後の28サンチ砲が威力を発揮できたのだと理解している。
また、乃木大将は中国語が堪能であったこともあまり伝わっていないのではないだろうか?
金州城下作 乃木 希典
山川草木轉荒涼
十里風腥新戰場
征馬不前人不語
金州城外立斜陽
金州城下の作
山川草木(さんせんそうもく)轉(うたた)荒涼、
乃木希典「金州城下作」(詩)
十里 風腥(なまぐさ)し 新戰場。
征馬(せいば)前(すす)まず 人語らず、
金州城外 斜陽に立つ。
この歌はいまでも現地の中国人に歌われていると聞いた。