「経済論戦は蘇る」は、フィッシャーの次の言葉を軸に展開している。
つぎのような一つの均衡があるかもしれない。それは安定ではあるが、あまりにも微妙なバランスの上に成立しているので、そこから大きくはずれた場合には「不安定」が生じるのである。それはあたかも力を加えられた鞭がしなり、いつでも跳ね返ろうとするものの、限界がくればポッキリ折れてしまうのに似ている。このたとえは、一人の債務者が「破産」に陥る場合、あるいは多くの債務者が破産して「経済危機」が起こる場合にあてはまるだろう。こうした出来事が起こったあとでは、もはやもとの均衡に戻ることは不可能になるからだ。もう一つのたとえを用いるなら、このような災害は、船の「転覆」にも似ている。通常は安定な均衡にいる船でも、ひとたびある角度以上に傾いたならば、もはや均衡へ戻る力を失い、かえってますます均衡から遠ざかる傾向を持つからである。
アービング・フィッシャー、1931年
- 作者: 竹森俊平
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本書をご紹介いただいたnight_in_ tunisiaさんに深く感謝。
一番リフレ議論がわかりやすいのは『経済論戦は甦る』です。本としても面白いので、分厚い本だけど一気に読めます。
http://twitter.com/night_in_tunisi/status/5419395283
いやぁ、なかなか難しい。数週間読んでいるのだが、まだ半分位までしか読了できずにいる。
衝撃的なのは、これ。
かりに、経済改革を行って日本の資本収益率をグローバル・レベルにまで引き上げることを考えたとする。この目的のためには(1)実質賃金を30%引き下げる、(2)または資本ストックを30〜40%廃棄する、のどちらかが必要となる。
ちょっと前にネットで見かけた議論だが、結局経済競争力を日本が取り戻すためには生活レベルを大幅に切り下げるしかないという結論になる、アジアなみに...。それでいいのか?
結局経済学、財政学の導く先は、新商品、新技術を開発して、競争力を高めるのではなく、値段やコストを下げることしかないという結論にしかならない気がする。その先には、フリー経済学が待っているのではないか。
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
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