HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

加速する経済

経済は成長しつづけなければならない。これは、自由主義経済の鉄則だ。

成長がなければ、会社は成り立たないように出来ている。会社というのは、好むと好まざるとに関わらず、長い目で見ればどれだけのお金を動員できるかというのが、大きな競争力の源泉になる。つまり、借金しない会社は、借金した会社に追い越され可能性が高い。追い越されないために、自分の信用力のぎりぎりまで会社というのは借金をする。借金する限りは金利を払わなければならない。金利を払うためには、利益を生まなければならないし、利益には税金がかけられるので、返済原資を産むためには、ますます利益率を向上させなければならない。ことほどさように、もう一旦はじめた借金はミクロでみればひとつの会社において常に膨張しつづけなければならないということが必然になる。

じゃあ、直接金融で市場からお金を調達しろといういうかもしれないが、市場調達のお金というのは、ますます成長しつづけ株価という会社の評価をあげつづけなれけばらならないために、実は間接金融よりもコストが高い。

そして、お金だけで十分条件というわけではなく、会社が成長しつづけるためには、技術革新、新商品開発がなければならない。組織も整えなければならない。ところが、大きな利益を生む技術や商品、組織というのはなかなか開発できないために、世の経営者はM&Aだとか、異業種への進出だとかしたくなる。

要は、自由主義経済圏においては、次々と社会自体が変わっていかなければならないわけだ。しかも、成長をパーセンテージという率で考える限り、その絶対値で計るスピードは常に加速していかなければならない。