HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

認知通貨、著作権、パブリックドメイン、でできている市場

切込隊長さんのP2Pに関する記事を読んだ。

今ネットにある、いくつかのシステムが組み合わされれば、隊長さんの考えているパブリックドメインの流通と、商業的な流通が、共存しうるのではないだろうか?この問題には、ここのところ山口さん、miyakodaさん、m_um_uさん、akillerさんなどと「コラボ」している線につながる予感がある。

読んで直後に発作的に考えた。

イメージとして、内部的には物々交換的なかなり任意の値段をつけられ、あるていど人手を介さずに「作品」が流通されるが、はてなのような外部に対しては対価が集合的に発生するシステム、といった感じ。

<システム的要素>

はてなでやっているポイントシステム:私の中では、限りなく「認知通貨」(あなたはをみたよ、あなたの業績に敬意をはらうよ、物質でなくとも買うよ、小額だから買うよ)とリアルの通貨をつなぐシステムを実現しているように感じる。

認知の物々交換:アーティストは、自分の作品をアップして、それを人が「買う」ことによりポイントを稼ぎ、つぎの「コラボ」や「サンプリング」のための音源などを買う。あるいは、文学作品等なら、本代の代わりにする。

PageRank的な指標:その作品の認知されている価値の潜在指標。

マーケット:上記の3つの性質をあわせもつ、「作品」の流通市場。

<プレーヤー>

消費者:外からお金でポイントを買って、自分の好みに応じた「作品」を楽しむ。ある程度、自分の満足に応じて支払う意志をもつ。自分の必要に応じた著作権との組み合わせで買う。支払いはポイントで。

生産者:(あるいはアーティストと呼ぶべきか)自分で作品を作り、仲介者を通して、あるいは、通さずにマーケットへうる。著作権をどこまで保留するかの権利を持つ。受け取りはリアルのお金、ポイント、あるいは自分の気に入った作品とのコラボの権利で。

仲介者:自分のセンスで、生産者から仕入れを行い。マーケットで売る。どのようにマーケティングするか、どううんちくを語るかが勝負。じゃ、リテーラー。場合によって、プロデューサー?

版権所有者:マーケット内部全体の需要から、一定の著作権、媒体での作品の流通権を、仲介者との契約して、売る。いわば、ホールセラーというイメージかな?既存のCDの版権を持っている連中は確実にここに入る。

以上うちの複数の役割を、一人一人こなせる。

<みそ>

プレーヤーをあげただけじゃ、いまのままの市場と変らないや。

ううんとね、多分、記録できないようにいまのブロードバンドの、そうたとえばショウタイムみたいな、感じでリアルタイム送信だけしかできないとか、もっとポイントを積むとコラボできる形と著作権で売るとか、メディアと著作権マトリックスで価格が変動するというのがよいのかもしれない。

ネットは、とにかく変動費が極端に安いというところがみそ。また、認知への欲求というのが、アーティストも、仲介者も持っている。リンクや、アクセス、コメントからも、認知への欲求は満たされる。

オークションなども有効かもしれない。「作品×媒体×著作権の種類」のマトリックスで、値段がオークションされる...とか。

マイナーあるいは、パブリックドメインになるべき作品の保存機能ももつべできあるなら、マーケットを利用するプレーヤーは、それぞれの役割に応じた税を、マーケットに対して場代として払う。

ポイントは、ポイントして、任意の形で、マーケットをまわる。マーケットは、「神の見えざる手」に応じて、必要なだけ、必要な形の、必要な著作権の作品を、外部のリアル経済から調達する。誰かが独占しようとしても、一定以上の金額であれば、ブラックマーケットに転じてしまうかもしれない。ううん、だから、きっとネットの上をセンスして、「作品×媒体×著作権の種類」マトリックスに引っかかるものが流通していれば、ブロックする機能がいる。

仲介者などは、自分がリアルから仕入れた作品が、マイナーなものであっても、プロモーション次第で(ネットの上の格安のプロモ)、投資が多大な回収を得るかもしれない。

一番大事なのは、数がうれるほど価格が低減するのでなく、逓増していくシステムにすること、かな?

うーん、全然認知通貨じゃないや...