「正しい歴史を奪うことは、人格の一部を奪うのと同じ」

「1Q84」の中にちりばめられている近現代史のエピソードの数々は、まさに現代に生きる私たちの「人格」の一部を書き換えられた歴史だ。 「僕らの記憶は、個人的な記憶と、集合的な記憶を合わせて作り上げられている」と天吾は言った。「その二つは密接に絡み合っている。そして歴史とは集合的な記憶のことなんだ。それ…