HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

マット・リドレー の検索結果:

「プラチナデータ」

…らかな遺伝子作者: マット・リドレー,中村桂子,斉藤隆央出版社/メーカー: 紀伊国屋書店発売日: 2004/04/28メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 121回この商品を含むブログ (48件) を見る DNA捜査によって検挙率100%、冤罪率0%を目指す近未来の日本を舞台に、DNA情報によって犯罪に巻き込まれ、容疑者を追う立場から追われる身となった警察庁特殊捜査機関の天才科学者と、それを追う刑事を描いた作品。 プラチナデータ - Wikipedia にしても、二宮…

アダム・スミスとカール・マルクス

…ていたと。つまりは、マット・リドレーの「繁栄」とジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」はひとつも新しくはないと。 「アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界」で展開されたアダム・スミスの主張を人類十万年の歴史の中で検証していったのが、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」とマット・リドリーの「繁栄」ではないだろうか。 アダム・スミス、ジャレド・ダイアモンド、マット・リドリー - HPO機密日誌 正義の喪失 反時代的考察 (PHP文庫)作者: 長谷川三千子出版社…

いまさらながら佐伯胖先生の影響を感じる

…らのテーマでもある。マット・リドレーの「繁栄」、「徳の起源」では、共感、協力という人間側の要素が人間社会の「繁栄」の元であるということを、人類史において進化心理学、進化社会学的に論じている。では、その共感、協力とはなにか?本書の中で、池谷先生は脳の一部の部位を電磁気によりマスクすることにより「幽体離脱」の感覚を呼び起こせる話しから、共感性へと議論を進めている。この部位を麻痺させると、自分の身体の動きを他人ごとのように客観的に見えるようになるらしい。この脳の部位は、自分と他人を…

人間の本質はいまだに殺人ザル

…てきたととらえるのがマット・リドレーの見方。 人類の歴史は、ゼロサム・ゲームか?非ゼロサム・ゲームか? - HPO:機密日誌 本書は、非平衡系の物理学的な知見と人の社会を比べることにより、なぜ金持ちはますます金持ちになるかとか、なぜ平和であったルワンダやボスニアのスタジアムで大虐殺が起こったかを説明している。 人は人の欲しがるものを欲しがる。ゆえに、ボスニアでは7000人が処刑され、ルワンダでは100万人が虐殺された。 - HPO:機密日誌 ブラックスワンの現れる前後のまさに…

「殺人ザル」読了、又はいかにしてペリクレスがリベラリズムを語ったか

…」、「繁栄」と言ったマット・リドレーの展開する進化心理学と、永続するための性質の保存という意味での「利己的遺伝子」の論を避けている。この試みは、野心的で興味深く、政治、行政に関わる方々にとっては絶賛に値するのだろう。一般読者としては、この姿勢の結果、経済学から見れば未だに克服できない人類の外部性への無知と無視の実例を延々と述べられている本書の大半の部分が「中だるみ」と感じてしまう。殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?―― ヒトの進化からみた経済学作者: ポール・シーブライト…

「殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?」を読み始める

…的には、私の愛読書、マット・リドレーの「徳の起源」、「繁栄」と重なる部分が多いが、論旨が非常に明確。翻訳も良い。人類の繁栄がいかにもろいものであるか。億年単位で他人への信頼が産まれることがいかにまれであるか。そして、人を信頼するという「発明」がいかに人間社会をいかに「進化」させたかわかりやすく書いてある。殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?―― ヒトの進化からみた経済学作者: ポール・シーブライト,山形浩生,森本正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/01/1…

囚人ゲーム、チキンゲーム、タカハトゲーム

…Tubeこの状態は、マット・リドレーの「徳の起源」に書かれた「フリーライダーに寛容な人間の集団」というのに近いのかもしれない。いくつかの事例をあげて、リドレーは人間の集団が狩りの分け前を寛容に配分することがいかに「利己的遺伝子」に適合するかを立証していた。徳の起源―他人をおもいやる遺伝子作者: マットリドレー,岸由二,Matt Ridley,古川奈々子出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2000/06メディア: 単行本 クリック: 35回この商品を含むブログ (23件) を見…

セックスは前段取り

…しているかというと、マット・リドレー先生のお説そのものだから。リドレー先生によれば、マンモスが絶滅したのはセックスの前段取りのためなのだと。かの若い女性の明言は、実にその通りなのだと。徳の起源―他人をおもいやる遺伝子作者: マットリドレー,岸由二,Matt Ridley,古川奈々子出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2000/06メディア: 単行本 クリック: 35回この商品を含むブログ (23件) を見るそもそも狩猟は人の集団にとって大して必要な「労働」ではなかった。人が元…

「リバイアサンの悲劇」

…れだけ間違っているかマット・リドレーからこてんぱんにされている。機会があれば、この辺も話題にしたい。そもそも、共有地の悲劇という言葉を作ったハーディンが具体例としてあげた中世の共有地の事例すら観察が間違っていたと。 英国の森林の歴史を研究しているオリバー・リックハムは、「共有者たちはばかではなく、ハーディンの提示した問題をよく承知していた。彼らは悲劇の到来を予感し、それをなんとか回避しようとしていたのである。(森林の共有権を持つ)株主の一人が過剰開発しないよう、(国家の干渉で…

ダンス、ダンス、ダンス

…この2つの例は、全くマット・リドレーが説明している通りの現象である。徳の起源―他人をおもいやる遺伝子作者: マットリドレー,岸由二,Matt Ridley,古川奈々子出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2000/06メディア: 単行本 クリック: 35回この商品を含むブログ (23件) を見るマット・リドレーは、もっと踏み込んで、ダンスは同一の集団である証しであることの裏返しに、味方と敵を識別する社会的な道具であると主張する。まさしく、「友と敵」理論の次元だ。一定規模以上の集…

ネアンデルタール人と思いやりの心

…る心」がより進化していく場でなければならないと私は願っています。社員の夢、想いがお互いにかなう場となる一番の近道は、思いやりのある、「協力する心」を行動、進化させて行くことではないでしょうか? 当然、依拠すべき根拠はマット・リドレー。繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: マット・リドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/07/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る

呪術としての互恵性、贈与

…Wikipedia マット・リドレーは、この「呪術的」な互恵性、贈与の根底にあるのは「利己的な遺伝子」から導かれる「道徳感情」であると議論を導いていく。「道徳感情」とは、社会的動物としての個体である個人からすればほとんど本能といっていい、必ず互恵しなければならないという感情こそが社会集団を成り立たせる。結果として社会的に個体を結びつける「道徳感情」こそが、個体を超えてアリのように、ハチのように、共有する遺伝子群を増殖させていくのだと。「利己的な遺伝子」、特定の遺伝子を増殖させ…

マット・リドレーの「徳の起源」を読み始める

…を「分化」と呼べば、マット・リドレーの主張に見事に重なる。このブログのエントリーを書いた頃は、「分化、分業」という視点ではなく、エネルギーの流れという視点で身体と社会のネットワークを捉えていたことは付言しておくべきことだ。 本書によれば、生物の法則性を示す活動の多くは、体内のネットワークで決定されるという。たとえば、生物の代謝については、心臓から毛細血管にいたる分岐の形がネットワークを決める。もし生物の代謝が内部の「物流」ネットワークの分岐の仕方できまるのなら、人間社会の代謝…

「日本の歴史をよみなおす」と陸の農本主義と水路の商業主義が見えてくる

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎作者: ジャレドダイアモンド,倉骨彰出版社/メーカー: 草思社発売日: 2000/10/02メディア: 単行本購入: 60人 クリック: 1,069回この商品を含むブログ (…

技術革新の終わるとき

…10万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る *1:このhtmlの表は、「エクセルシートをHTMLテーブルに変換しちゃう君 (ββ)」を使って作った。非常に良くできている。ただ、CSSが変わってしまうらしく、この表以外も罫線が表示されるようになってしまった。ま、ご愛敬。

分かち合いの誕生

…スペシャル これは、マット・リドレーの「繁栄」の話だなと。 「繁栄」の中でネアンデルタール人は「分業」できなかったが、クロマニヨン人は「分業」できたという話しがあった。争いを避けるために発生した「礼儀」が互いに尊重し合うことに発展し、「分業」を可能にしたのだと私は信じる。「礼儀」の発生の時から、人の生産性の向上とは比較優位=分業以外にない。分業して、専門性を高める以外にどのような生産性向上の方法を人は発見できたか?冷静に考えてみると、ない。 「礼儀」という比較優位 - HPO…

「礼儀」という比較優位

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 6人 クリッ…

アダム・スミスはフェアプレイの経済が発展することを「発見」した。

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る 市場を無理に理解したり、操作しようとしなくてもいいのかもしれない - HPO機密日誌 アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)作者: 堂目卓生出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/03メディア…

アダム・スミス、ジャレド・ダイアモンド、マット・リドリー

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る強いて言えば、「銃」は嫉妬の感情に基づくお互いに競い合う人の経済の側面を描き、「繁栄」は共感の感情に基づく分業と交易の経済の側面を描いている。いずれも、200以上も前にアダム・スミスが射程においていた人の側面を、人類学や考古学の最…

スタートアップ企業は雨後の筍のごとし

…条件なのだそうだ。その意味では、ようやく日本でも、今後の成長するスタートアップ企業に希望を見いだせるかもしれない。繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る 人類の歴史は、ゼロサム・ゲームか?非ゼロサム・ゲームか? - HPO:機密日誌

立ち向かうべきはなにか?

…万年史(下)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 25回この商品を含むブログ (31件) を見る 子どもたちはタンパク質不足で腹が膨れ上がり、汚染された水によって本来なら予防できる赤痢に苦しむ。屋内の煤煙のために予防可能な肺炎で咳をする子、治療可能なエイズで衰弱してゆく子、罹らずに済んだはずのマラリアで身を震わせる子がいる。乾燥…

アフリカの停滞

…万年史(下)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 25回この商品を含むブログ (31件) を見る銃・病原菌・鉄作者: ナショナルジオグラフィック出版社/メーカー: 日経ナショナル ジオグラフィック社発売日: 2007/06/23メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 50回この商品を含むブログ (29件) を見る考えてみれば…

市場を無理に理解したり、操作しようとしなくてもいいのかもしれない

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 6人 クリッ…

人類の歴史は、ゼロサム・ゲームか?非ゼロサム・ゲームか?

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 6人 クリッ…

経済学徒はなぜ信頼を裏切るか?

…した。「繁栄」の著者マット・リドレーの体験によれば、言葉の通じない部族民であって贈り物に対する返礼が行われたという。これは、相手に対する基本的な「共感」は広く人に共有された感情であり、共感なしには交換、そして、交易は生じないことを意味する。アダム・スミスの「観察」は「世界の記述」に近かった。しかし、そこから「神の見えざる手」の仮定だけを抽出してスタートした経済学は人の行動をすでに変えている。ささいなことかもしれないが、同じ「繁栄」で紹介されていたロバート・フランクの実験は、経…

「繁栄」こそが人類の本質

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (57件) を見る冒頭の時間あたりの生産性で、電気や、食料がいかに下がったかを書いている。ちょうど昨日書いたことと重なる。 以前より豊かで、健康で、背が高く、賢く、長生きで、自由な人々(つまり、みなさん)は、じつに潤沢な時代に生きているので、必要と…

なぜ数学は物理法則と一致するのか?

…万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (58件) を見るいや、すこし先走りすぎた。 数学の進化を考えると、今でも数学のもっとも大きな謎と目されているに対して、洞察を与えられるかもしれない。それは、驚くほどの正確さで、数学が物理的世界を表象する能力である。「経験とは独立な人間の思考の産物…