HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ブラックスワン の検索結果:

なぜ経済学者はべき乗則をこわがるのか?

…それをすべて押し流すブラックスワンが必ず表れるということなのだから。常に非常に大きなぶれや、リスクを受け入れることになる。かといって、べき乗則からの視点では一般的な経済学的知見に対して論理的なことをなにも言えない。大きなリスクを自分の研究対象に対して持つということは、大人な態度だ。学説を不安定な立場に置くことだ。そんな不安定さは、研究を行う自分自身を不安定にさせる。従って、べき乗則は経済学、ファイナンスの中心にたつことはない。ただ、自分を「開く」ためには妖精やホビットを一度は…

多様性は政策では作れない: 統治と自由

…性であり、さまざまなブラックスワン・べき乗則的な危機への社会の安定性であるべきだ。 ハイエク の検索結果 - HPO機密日誌 *1 ハイエクの解説書を読んでも、自由を抑制する政府の政策がどう社会をゆがめるのか理解できなかった。自由と統制のバランスは多様性、豊穣性の度合いをどう考えるか、と考えるとハイエクが理解できる気がする。その意味で、私のハイエク理解はここにある。 社会の知識は、社会に分散して存在している。特定の誰かによって計画できるものではない。善意であれ、悪意であれ、官…

「マルハナバチは航空力学的には飛べない」

…大調整局面を迎える。ブラックスワンであり、リーマンショックであり、東日本大震災として顕現した。たとえば、私の業界で東日本大震災が明らかにしたのは、中小と大企業がお互いに緊密なネットワークでつながっていることだ。東北の名前も聞いたことないような企業が日本全国の基幹商品に不可欠な部品を供給していた。このため、震災後しばらく新築住宅には必要不可欠なその商品を取り付けることができなかった。しかし、我らの業界の経済ネットワークが多様であり、密な関係であったために、あっというまに代替部品…

逃げよ、逃げよ、すべてのハブから逃げよ

…が広がれば広がるほどブラックスワンを引き込む。あるいは、ネットワークが広がった結果として、ハブとして成長すればするほど、破滅的な危機が起こりやすくなる側面があると言える。ブラックスワンの罠とは、べき乗則の原則だ。ネット社会で生きながら、いかにブラックスワンの罠にはまらない生き方ができるかの追求は、このブログの目的の一つである。 ブラックスワンの飼いならし方 - HPO:機密日誌 僕らにできるのは、お掃除することだけ - HPO:機密日誌 「強さと脆さ」読了 - HPO:機密日…

ブラックスワンの飼いならし方

id:finalventさんお薦めの西堀栄三郎先生の本がめちゃめちゃ面白い。石橋を叩けば渡れない作者: 西堀栄三郎出版社/メーカー: 生産性出版発売日: 1999/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (23件) を見るとくにここ。 (探検家的精神とは)一生懸命になって調査をし、あらゆる面から完全と思われるほどの準備をして、そしていよいよ出発しても、どんなに時間をかけても、結局は、完全にリスクをゼロにするような準備というものはできないとい…

映画「ブラックスワン」

見て来た。ナタリー・ポートマンの演技が出色だった。 404 Not Found 人の内面に迫る内容であった。ちょっとびっくりしたのは、クレジットにウィノラ・ライダーの名前を見つけたこと。主役のニーナがあこがれる引退間近のプリマの役だった。この配役をどう受け止めるべきかは微妙といえば、微妙。

地震の発生確率はべき乗則

…原発の危機も本質的にブラックスワン。ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバー購入: 31人 クリック: 540回この商品を含むブログ (197件) を見るブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバー購入: 24人…

僕らにできるのは、お掃除することだけ

…予防しようとしても、ブラックスワン的危機を回避することはできない。非情なまでの無力さにとらわれてしまうだけだ。日々、日々、考えて、考えて、働いて、働いて。つくづく思ったのは、私たちにできるのは、大きな災害が起こった時にそれ以上に大きな災害にしない努力をすることだけだ。大きな災害にしない努力とは、日々掃除を続けることだけ。掃除を怠ると、あっというまに怠惰を産んでしまう。ただただ、掃除をつづけることだけ。それが、安全と品質を高める。「割れ窓理論」というのがある。小さな犯罪やいたず…

日本経済の「炉心緊急停止」

…がらも出荷できるということだ。情報に詳しい人にも聞いてみたが、ほぼすべての工業製品の商品在庫が同じような状況だと言っていた。つまりは、生産の現場においては短いものだと数時間、長いものでも効率的な工場なら一週間程度しか在庫も、原材料もおいていないということだ。この超効率的で、超高密度な経済ネットワークは、ブラックスワン的な意味での予想外の災害に弱いかが今回よくわかった。それでも、人々が叡智としぶとさを発揮している場面を現在進行形でいくつもみているということだけは断言しておこう。

デイ1 : 液状化

…じりあった状態であったということ。ましてや、埋め立て地はどうなっているか。そっかそっか、こういう時、HPOの中のひととしては、ブラックスワンだ、べき乗則だと、言わなきゃいけないわけだ。疲れ果てて頭になかった。 :日本経済新聞 ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバー購入: 31人 クリック: 540回この商品を含むブログ (197件) を見る

NO!と言われることを喜びにできるか?

…行動なのだ。ひとにはブラックスワンも、ホワイトスワンも予測できない。それでも、ブラックスワンにつながる行動は減らし、ホワイトスワンを産みだす日常の努力をたやさないのが人の生き方だと私は信じる。小さなことでも行動し続けなければ、飛躍的な成功はやって来ない。ホワイトスワンは飛び立たない。ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバー購入: 31人 クリ…

ブラックスワンとプレゼンテーションとアイロンと私

ブラックスワンの補稿、「強さと脆さ」を再読した。「ブラックスワン」そのものよりもタレブの思考が分かりやすく述べてある。「あの」リーマンショックを生き延びたばかりか、一生を何回かなんの苦労もなく過ごせるほどの資産を形成することに成功した人の発言には敬意を払うべきだと改めて思った。警鐘をならして仕事をしているつもりになっている人たちには、ほんとうに大切なことがなにかわからないのだろう。*1強さと脆さ作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日…

「強さと脆さ」読了

…「第四象限」であり、ブラックスワンの棲む場所なのだと。そして、そこからはできる限り手を引けと。ほかにもたくさんのことをタレブは伝えてくれている、訴えかけてくれている。この2つのことがらだけでも、人の生き方は変わってくる。最後のセネカの締念の話しは大変印象的だった。経済学者をめぐる話しや、大企業と中小企業の話し、そして、いかにタレブは自身が誤解されてきたかという話しについては、また明日以降に考えるとしよう。 確率といういかがわしい概念 - 『強さと脆さ』 : アゴラ - ライブ…

「強さと脆さ」が届いた

感激。強さと脆さ作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/11/27メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (14件) を見る訳者である望月衛さんの「ザ・ブラックスワンの逆襲」を読んだだけではらわたがよじれた。「経済学者やなんかの、道徳意識に不自由な人たち」あはは。当分楽しめそう。

市場を無理に理解したり、操作しようとしなくてもいいのかもしれない

…ここまで来て、かなりブラックスワンのタレブの主張に近くなってくる。この前後の節で著者は現実の産業革命中の発明を実証し、演繹的思考でなく、帰納的実験から発明がなされ科学というものは、その後を追随するのに過ぎないと行っている。この主張もタレブのプラトン主義の否定につながる。実際、この次の節のタイトルは「イノベーションは山火事に似ている」だ。 米人はべき乗則に気づいて山火事を消すのをやめた - HPO:機密日誌 やはり、本書にはべき乗則思考への道を開けているように思えてならない。た…

なぜ数学は物理法則と一致するのか?

…はできないのだろ。「ブラックスワン」のタレブが聞いたら喜びそうな話しではないか?ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバー購入: 31人 クリック: 540回この商品を含むブログ (215件) を見る要約することすら私の能力をはるかに超えるのだが、著者はこうして最新の認知心理学的な発達の観測、比較動物学、神経生理学的な動的認知プロセスの観察など…

15分で読む「貨幣の複雑性」

…や地域通貨、あるいはブラックスワンが普通に話題になる今日、改めて、安冨先生の考えを思う。貨幣の複雑性―生成と崩壊の理論作者: 安冨歩出版社/メーカー: 創文社発売日: 2000/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見るはるか過去に「べき乗則とネット信頼通貨」の勉強会のためにレジュメをつくった。改めてさらしたい。 15分でわかる貨幣の複雑性 (時間と主体の行った意思決定の相互作用という)この問題意識に基づき考察され、シミュレー…

レイヤード : 多層的現実への入り口

…のグローバルなシームレスではなく、ウェブと日常とのシームレスへ向かっている。そのために今まで放置されていた、知財権やプライバシー、そして貨幣交換について、実社会の規範、法制度と折り合いをつけていく作業が必要になる。 ウェブでは「フリー」が基本であるというのは本当か - 考える名無しさんのブログ そのほか、ベーシックインカムと負の所得税の問題とか、子どもを生めなくなってからの時間の問題、あるいは、貨幣と権力とブラックスワンの問題など、書きたいことは沢山あるが、またあらためたい。

農業経営規模のべき分布

…模の経済を追求するとブラックスワンがまた飛び立ちそうな気がする。あと、農業だけは土地の面積が経済の基盤であるので、複雑系的な土地利用の形態があるという分析をクルーグマン教授が書いていらした。まとまらないが、一旦このままアップする。 ■参考なぜ北海道だけが規模の経済で生産性を高くできたか、id:pal-9999さんのお話で理解できた。 読みましたよー。良い本だけど、大規模農家は、土地利用型の作物の米、小麦、大豆、とうもろこしに限られると思います。他の作物は、規模の効果が効きにく…

そもそも共産主義国家に独裁者が不可欠だという時点で共産主義は破たんしている

… べき乗則というか、ブラックスワンというか、結局人の集団はリーダーがいなければ衆愚にしかならない。どれだけ思想を振りかざそうと、秩序は意思がなければ保てない。「フリー」じゃないけど、経営の改善や技術革新による生産性の向上の方が思想よりもはるかに人を幸せにしてきたと私は信じる。フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2009/11/21メディア: ハードカバー購入: 133人 クリック…

たったひとつのものごとをうまくいかせる方法

…はいかない。そういう法則が流れている。でも一つだけうまくいく方法がある。それは100%、自分のせいにしてしまうことだ。 これは全く理にかなっている。最近、いろいろなことがつながって見える。自分が対立をさければ、大きな対立がふりそそいでくる。自分が相手を嫌えば、より大きな憎悪が熱湯のようにかかってくる。ただ一度のあやまちも、ブラックスワンのように因果律として返ってくる。論理学でいうような「A→B」で因果律はできていない。って、よく見たら、斉藤一人さんのお言葉でしたか。そうです。

因果の間の縁

…人の世の因果律とは、ブラックスワンであり、自己組織化臨界現象であり、砂山の砂粒なのだ。稲盛和夫CDブックシリーズ いま、「生き方」を問う2 経営に求められる力作者: 稲盛和夫出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2008/04/16メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る「因は縁にあって果を生じる」と仏教でいうときに、縁とはネットワークなのだと知る。どの「因」という砂粒によって「果」とうい雪崩が起きるかわからない。「縁…

リンクの経済学と自己組織化臨界現象 link-based economics

…ネットワークにおいてブラックスワン的な立ち現れ方だとしても、一定の現象が起こるか起こらないかはシミュレーション可能であるはずだ。そして、ブラックスワン的な立ち現れ方こそが因果律の源ではないかと考える。つまりは、すべては奇跡的な確率で生じているのだ。ただ、その時間の単位が量子力学的に短いのか、宇宙論的に永いのかの定はないだろうか? *1:リンクの継続時間によってさまざまなレイヤーを想定できる。繰り込み理論、フラクタル同様、どのレイヤーでも、同様に自己組織化臨界現象が立ち現れるは…

「希望の国のエクソダス」 通貨危機

…問。 ■霧のように広がるリスク朝になって改めて考えてみた。まぁ、ロジスティック式で示されるカオスの部分、上のファイゲンバウムでいえば、右側の霧のように広がっている値の部分が、通常のリスク管理では考慮しないくらい極端な値であることは確かだ。ブラックスワンの飛び立つ場所ではある。この濃淡を極端なリスクの管理に使えるかと言えば、対処にかかわる費用の方が削減できるリスク費用よりも大きくなるのは自明であろう。ま、つまりはこの「青のジャケットの子」は大人をけむにまきたかっただけなわけだ。

「希望の国のエクソダス」 ポンちゃんの国会中継まで

…。そして、なによりもブラックスワン=べき乗則的な展開の未来の恐怖がこの小説にはある。 ま、ただ、現実は円よりも先に「国際金融資本」とドルの方が先に引っくり返ったわけだが。 今のドル安は金利差と言った表面的な問題ではなく、アメリカ合衆国という国そのものの価値の喪失にあり、金融という魔法の杖で富を生み出せなくなったアメリカに対する信用そのものの下落が原因だというのは世界の常識中の常識だぜ。こんなことも知らないで新聞書くな、まじで。迷惑だよ。 Gucci Post- ブログ記者によ…

パイドロス ふたたび

…にメタな複合体である組織体をいかに組織するか、リーダーシップを発揮するかも見えてくるように感じる。 ■参照 パイドロス その1 - HPO:機密日誌 パイドロス その2 - HPO:機密日誌 パイドロス その3 - HPO:機密日誌 パイドロス その4 〜「私」は社長にすぎない〜 - HPO:機密日誌 考えてみれば、この先にブラックスワンをめぐるタレブの哲学と、安冨歩先生のお考えを位置づけることができるかもしれない。 ブラックスワンと安冨先生の二つの創発 - HPO:機密日誌

ブラックスワンは売れているのか?

…/obidos/ASIN/4478001251/hatena-ud-22/ref=nosim やっぱり、彼我の差は大きいのか。 「ブラックスワン」は英米で37万部以上が刷られ、米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに17週間とどまった。27カ国語に翻訳されつつあり、アマゾン・ドット・コムでの07年の売れ行きではグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長の著書をも上回った。 書評:タレブ氏の「ブラックスワン」は最良のタイミングのビジネス書 - Bloomberg

人は人の欲しがるものを欲しがる。ゆえに、ボスニアでは7000人が処刑され、ルワンダでは100万人が虐殺された。

…話題の半分くらいは「ブラックスワン」と共通している。「エル・ファロルで一杯」なんて、小見出しまでいっしょではないか?ポパーなどの引用、人間の不完全さについての記述も驚くほど似ている。先にあげたボスニアの悲劇やルワンダの虐殺も考えてみれば、タレブが自分自身のレバノンにおける半生を語った部分に相当する。ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者:ナシーム・ニコラス・タレブ発売日: 2009/06/19メディア: ハードカバーブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質作…

人はアトムか?平和のあとには必ず戦争があるのか?あるいは、創業と守成はどちらが難いか?

…の銃弾の話であり、「ブラックスワン」を書いたタレブの故郷を破壊しつくした話だ。第一次世界大戦の前100年は平穏であった。タレブの故郷のレバノンは、内戦が始まるまでは1000年の平和を享受していた。 id:ita 科学 山火事は二次元パーコレーションという統計モデルでよく記述できる稀有な例。他にはアメリカの停電もrandom huse modelで記述でき規模がべき分布。しかし小規模な停電で大規模なのが防げる訳ではない。 はてなブックマーク - 米人はべき乗則に気づいて山火事を…

保護と自由とべき乗則

…なければ、タレブの「ブラックスワン」とマンデルブルの「禁断の市場」を読めば多くの具体例を発見できる。歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)作者: マーク・ブキャナン,Mark Buchanan,水谷淳出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/08/25メディア: 文庫購入: 28人 クリック: 196回この商品を含むブログ (67件) を見るブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質作者: ナ…