中西進先生の「ひらがなでよめばわかる日本語」を読了した。
- 作者: 中西進
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: 文庫
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内容にはついてはウェブ上に素晴らしい解説、説明が存在する。
中国語や、他の国からの借用でない、本来の「やまとことば」の豊かさについて中西先生の素晴らしい学識と感性を込めて書かれている。
「円いものに『み』をあてました」
— ひでき (@hidekih) August 28, 2019
現代語の「み」も確かに円く納めるものに「み」をつけるのは、語感が残ってるかも。#ひらがなでよめばわかる日本語
「遊びをせんとや生まれけむ」の「あそび」とは男女の恋愛。愛するために産まれてきたのだと。日本語すごい!#ひらがなでよめばわかる日本語
— ひでき (@hidekih) August 28, 2019
実は、35年前に私は筑波大学で中西進先生の比較文学の講座を受けたことがあった。万葉集はもとより、中国古典、歴史など、深く広いご見識についていけるわけもなくCの成績であったと記憶する。先生の「岩」の永遠性についての日本文学の話を、比較宗教学の授業でつけ刃で学んだエリアーデを引いてあまりに拙いレポートを書いたと記憶する。
本書を読んでいて「草枕」、「たび」の部分で「岩を枕とする」のが死だという話しが出てきた。確か、これは授業で触れていらっしゃったように記憶する。一瞬、比較文学の授業の一場面が私の脳裏に浮かんだ。私のような門外漢がお名前を出すこと自体失礼極まりないとは思うものの、五十代のいま改めてご著書にふれることができたことは喜びだ。
昨日新幹線の中で「ウェッジ」という雑誌を読んで、中西進先生が、「焔」という絵のことを書いていらっしゃった。普通の女性がただすわっている絵なのに、そこに込められた想いの深さ、業の深さについて語っていらっしゃった。目で見えるものと、表現されたものとの違いだと。
男女の愛と芸術の生成の秘密 - HPO機密日誌
雑誌、ウェッジの先生の文章が本になっているようだ。読んでみたい。
- 作者: 中西進
- 出版社/メーカー: ウェッジ
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
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