前評判が高すぎたせいか、ちょっと期待しすぎていたのかもしれない。ラミ・マレックがフレディーになりきっているという話だったが、脚本がラミ・マレックに当て書きしているのではないかと思うくらい、いつものラミ・マレックにしか見えなかった。
「Mr.Robot」でみた「偉大な才能があるにもかかわらず自分に対する評価が低く、常に不安を抱えて生きている孤独な若者」のラミ・マレックそのものだった。
私は主に中学生の頃に「クィーン」を聞いていた。実は一番ハマったのは、「フラッシュ・ゴードン」のサントラ。
この重厚なギターにしびれた。"Roch You"とか、"We Are the Champions"とかかなり歌っていたが、当時はブライアン・メイのギターが私にとっての「クイーン」だった。ずいぶん経ってから、フレディー・マーキュリーが元から英語圏に育ったわけではないのにあんなに素晴らしい歌詞を作っていたのだと知って「ああ、天才というのはいるんだな」と思ったくらいだ。劇中に「僕はステージの上では自分がなりたい自分でいられる。なにもおそれない、強い自分」という意味のセリフがあったが、私は「強い」フレディーしか見ていなかったのだろう。
翻って、ラミ・マレックも天才に違いない。
エジプト系[1][2]で双子の兄弟がいる[3]。マレックおよびその両親はコプト教徒である[4]。インディアナ州のエバンズビル大学で学ぶ[5]。
ラミ・マレック - Wikipedia
(中略)
2006年、2009年、2014年公開の映画『ナイト ミュージアム』シリーズで「展示物」である若きエジプト国王アクメンラー役を演じる[5]。以降、その独特な風貌を生かしたオリエンタルな役を多く務める。
映画の中で、「クイーンは『規格外』だ。だからこそ、部屋の隅で膝を抱えている孤独な人々と共感できる」というセリフがあった。まにこれは、フレディー・マーキュリーであり、ラミ・マレックだ。
改めて「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞を読んで、まさに映画はこの歌詞の通りの人生を歩んだフレディー・マーキュリーを描いているのだと気づいた。だからこそのタイトルなのだと。