「進化は万能である」の経済の進化を扱った章では「大富裕化」が強く語られている。大富裕化とは、過去200年に渡って世界中が富裕化している経済現象を言う。
進化は万能である──人類・テクノロジー・宇宙の未来 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マットリドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之,吉田三知世
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/06/05
- メディア: 文庫
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「大富裕化」を提唱されているMcCloskey教授の「ブルジョワ三部作」についての言及を見つけた。
Understanding the “Great Enrichment” is McCloskey’s overriding concern throughout her trilogy. For most of history, humans have survived on roughly $3 a day—enough for subsistence living. In good times that amount might double or triple, but one bad harvest or natural disaster could plunge a community back into abject poverty. Around 200 years ago things began rapidly to change; today the average American lives on about $130 a day. Europe, Canada, Australia, and parts of South America and Asia have experienced similar increases. What explains this truly staggering development? After all, earlier societies engaged in commerce-friendly practices like establishing markets, pursuing international trade, and securing property rights, too. Yet this extraordinary growth—this Great Enrichment—only occurred after 1800.
http://www.claremont.org/crb/article/the-great-enrichment/
試訳。
「大富裕化(Great Enrichment)」を理解することは、彼女の三部作を通してMcCloskeyが最も重視している問題を理解することだ。歴史の大変の時代で、人間は1日約3ドルで生計を立ててきた。良い時にはその金額は2倍または3倍だったかもしれない。しかし、1回の低収穫や自然災害により、その社会が貧困に陥る可能性があった。約200年前、物事は急速に変化し始めた。今日の平均的なアメリカ人の生活は1日約130ドルかかっている。ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、南米およびアジアの一部でも同様の増加が見らた。こうした本当に驚異的な成長の要因はなにか?歴史を振り返ってみれば、初期の社会でも、市場の確立、国際貿易の追求、財産権の確保といった商業的に有効な慣行を実現してきた。しかし、この驚異的な成長 ーーー大富裕化ーーー、は1800年以降にしか起こらなかった。
19世紀以降何が世界で起こったのか?明確な原因は明らかではないが、私達はこの大きなプロセスの中で生きていることに自覚的になるべき。それは間違いなく社会の進化の恩恵なのだから。