「高橋是清」も佳境。

- 作者: 松元崇
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
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所謂日本の「期待利率」が違う時代の話しとはいえ、現代日本の「失われた二十年間」を考える時に、高橋是清の偉業はあまりにすごい。
[高橋是清] 昭和金融恐慌対策
— ひでき (@hidekih) 2016年7月18日
十五銀行救済
全銀行二日自主休業
三週間のモラトリアム
裏が白の二百円札を含む現金準備
日銀特別融資法案成立
井上準之助日銀総裁起用、三土忠造を蔵相後継
ここまで四十二日間。憲政会の協力があったとは言えすごい。それにひきかえ・・・
この銀行救済策というのは、いまで言えば「ヘリコプターマネー」ではないだろうか?銀行への緊急貸し付けと現金超増刷をよくこの時期にと。ニューディール政策よりもまだ早い。
高橋是清の四十二日間の前後の抜き書きをまとめた。軍部の独走、国際的信用低下による外債発行不適格、無理な金解禁のための緊縮財政。大正の第一次世界大戦バブルから、地方の疲弊、青年将校のテロという流れの背景にある国家財政の変遷がよくわかる。ここを押さえないと、歴史がわからないのではないだろうか。
■参照