HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

人工知能をビジネスにする :建築とGoogleのフリー戦略

というか、もう人工知能を自分の仕事にどう取り組むべきか考え始めるべきところまで来ている。私の周辺では例えばAIとBIMは語呂からいっても相性がいい。しばらく前から、建設業界では平面でものを考えなくなりつつある。CADを長いこと使ってきてようやく「建物のデータモデルを構築するのに平面、立面を分けているのは人間側の理屈だったんだ」という当たり前の認識が進みつつある。

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションであり、また、それにより変化する建築の新しいワークフローです。
BIMを実現するソフトを使って3次元モデルを作成し、設計から施工、維持管理に至るまで建築ライフサイクル全体でモデルに蓄積された情報を活用することで、建築ビジネスの業務を効率化し、建築デザインにイノベーションを起こす画期的なワークフローです。

BIMとは? | BIMとは? | BIM Design

建築はもともと立体、3D。デジタルデータとしては二次元で表すよりそのまま3Dで表現した方が自然。そう断言できるころまでハード、ソフトの進歩が進んだ。ここに更にAIが加われば設定条件を明示すれば自動的に建物のモデリングデータ、図面を出力するという日が来る。こう考えると、GoogleがスマフォのOSや、自動運転だけでなく、早くから3D-CADを無償提供していた理由がわかる。人工知能に食わせる(自動学習する)ためのデータの収集だ。

 たとえば一例を挙げると、日本の大企業では、ネットで無差別にあつめてきた画像データを人力で分類して人工知能に食わせようとすると、コンプライアンス委員会がしゃしゃり出てきて「その画像データの著作権はどうなってるんですか。著作者に許可は取ったんですか」と言いに来る。「アホか。14000万枚だぞ。著作者が誰かもわからんわ」と言い返しても、コンプライアンス委員会としては「著作権が不透明なものを学習データセットにすると将来的な訴訟リスクがあり、学習データは著作権処理がきちんとなされたもの以外は許可できません」と言ってくる。

深層学習をビジネスにしたいと考えている人は必見! 人工知能がビジネス化するときにとるべき国家戦略 - shi3zの長文日記

Googleが無償提供している建築CAD、スケッチアップのサイトでは作品をデータウェアハウスということで公開している。著作権の取り決めまでチャックしていないが、確実に人工知能には食わせられる(機械学習)されることを認めた上でアップさせているに違いない。

Googleスケッチアップウェアハウス