「国の死に方」を読み始めた。やっぱり、片山杜秀さん好き。作曲家、伊福部昭の科学実験による被爆体験から始まる。いうまでもなく、ゴジラの音楽の作曲者だ。
- 作者: 片山杜秀
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
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著者の片山さんは、自分の土俵を良く知っている。本来音楽が専門の片山さんは、音楽からこの本を始めた。大切なメッセージが入った本だ。技術者であった伊福部氏が自分自身の被爆体験から科学技術を捨てて、いかに音楽に入っていったか、そしてゴジラという原爆の化身のような化け物の音楽を作ったかを語ることで、戦後日本の危うさを見事に描いている。土着と科学の暴力とのキメラがゴジラだ。
ともあれ、「シンフォニア・タプカーラ」は胸に響く。私のように音楽に造詣が深くないものであっても、そのメッセージが伝わるように感じる。
ゴジラにまでつながる科学技術から音楽、民俗と現代との対比といった主題を感じる。