HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

安西版「リア王」を読み始める

こころの機微をついている。語り口が実に芝居調。語りやすそう。

リア王 (光文社古典新訳文庫)

リア王 (光文社古典新訳文庫)

エドマンドや、ゴネリル/リーガン姉妹並みに野心まんまんの子どもたちがもう少し日本にいたら、こんな老人天国にはなってなかっただろうな。リア王ですら首をひねりかねないほどの老害がまかり通っている日本で、本作をめぐってもっと議論を深めるべき。とはいえ、よくいわれるように「子どもしかるな来た道じゃ、年寄り怒るな行く道じゃ」と。本作のように、親不孝な野心にみちみちていたら、その家、その人自身までほろぼしかねない。難しい。