過ごしやすいお天気だったので、少し歩いた。秋が訪れていることを空にも、道にも、行き交うひとにも感じた。
歩きながら、考えた。愛に終止符をうつのは難しいと。もうこの愛を諦めようと思っていても、また会いたいと思ってしまう。もう会うのは止めようと思っても、また手をつなぎたくなる。手をつなげば、また抱きしめたくなる。自分自身の気持ちに整理がつかなくなるのは、人間としての弱さだ。愛とは執着そのものなのだと改めて知った。
では、相手に幸せでいて欲しい、相手が幸せでいる手助けをそっと傍からしてあげたいとこみあげくる感情は、なんと呼んだらいいのだろうか。言葉にならない。バランスの取れた、静かな生き方をすることは実に難しい。