HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「S&M 101」

米国で女性に受けているというので読んでみた。

S&M 101

S&M 101

感想も書いた。これが現代のO嬢のレッスン?、って感じだった。

米国の学校の教科には三桁の数字がふられている。本書のタイトルにもある「101」とは、教科の番号を示す。「101」とは、例えば一連の教科が経済学なら経済学の一番の初歩の初歩のクラスを示す。本書のタイトルはSMの最初歩のレッスンを示している。ごく普通の関係であったジュリアとトレバーの関係が「ご主人様」と「奴隷」のそれに変化して行く様を描いている。しかし、「O嬢の物語」がそうであったような意味では一つも偏執的ではない。

これまで西欧のSMは狩猟民族的というか、ドレサージュというか、相当に情け容赦ないものだと考えて来た。本書が英米圏の女性に大変受け入れられたことに、文化のへんようを感じる。本書のSMの作法、ガジェットは日本の現代のSM小説に近い。さらっとしている。この辺が、自由で平等な恋愛に疲れた米国の女性に受けた理由かもしれない。