先日、ダンスシーンをYoutubeで楽しんでいて、「タンゴ・レッスン」という映画の存在を知った。
フラメンコ、タンゴ、ダンス - HPO:機密日誌
衝動的にAmazonでオーダーした。たしか、イギリスと日本はDVDのリージョンもNTSC方式という意味でも一緒だと聞いたので。
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監督であり、劇中のサリーとしてタンゴを踊っているサリー・ポッターが自分で語るっているように、この映画は彼女のタンゴへの愛だ。サリー・ポッターは、若い頃からダンスと歌にはまっていたのだという。文字通り「歌って、踊れる映画監督」の本領発揮だ。私の見る限り、彼女のタンゴはプロフェッショナルの域だ。
ラストシーンを飾るサリー・ポッターが歌う「You And I」が印象的でもある。彼女はこれまでいくつかのバンドで歌ったり、演奏してたりしてきた。実際、本作品のスコアーを書いたとある。
インタビューでも語っているように、この映画は「半自伝的」なのだそうだ。ひとつひとつのシーンに確かにリアリティがある。そして、タンゴを十分に語っている。十数個のダンスシーンがあるが、ひとつひとつの撮影の仕方が違う。曲も、踊り方も違う。男と女の愛も、会う度に陰影が変わってくる。男と女が出会い、愛が深まり、嫉妬し、別れ、そしてもう一度出会い、共に踊る。ひとつひとつのタンゴシーンに見事に反映されている。実に魅力的だ。
ちなみに、劇中の「パブロ」を演じたパブロ・ヴェロンは1955年生まれ。「サリー」を演じたサリー・ポッターは1947年生まれ。年の差があることが、二人の関係の陰影を深めているのは明確だ。
また、現代の「ユダヤ人」であることが「どこにも属さないことだ」と語られる。どこにも属さないからこそ、サリー・ポッターは踊り、歌うのだろう。「You And I」の歌はそういう歌だ。