HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

知的生命体であることは滅びやすいということか?

こうしたニュースに触れる度に、深い失望を覚える。

広い宇宙なら、地球以外に生命が存在することはほぼ必然だ。地球型の惑星もどんどん見つかっている。生物がいれば、「知的生物」に進化するものが必ずいるはずだ。知性とは、常に進歩を志向する。地を歩き、地を支配し、空を飛び、宇宙空間にまで出ていくことは知的生物としての宿命だ。限界を乗り越えるのが、「知性」だ。従って、長い長い宇宙の時間の中では知的生命体は、かなりの進化を遂げていなくてはならない。十分に知的であって、十分に長く存続することができるなら、必ずダイソンスフィアのような天文学的なスケールの人工物を作ることができるはずだ。しかし、これだけ天目的な知見が積み重なり、半端ない半径の宇宙を探索できるにもかかわらず天文学的人工物は見つかっていない。

高度な文明を持つ、地球外生命がいたら、エネルギー利用のためにダイソン球殻を建設しているかもしれない。

ダイソン球殻:サラリーマン、宇宙を語る。

「見つかっていない」ということは、知的であることの限界を示しているのかもしれない。もっといえば知的であることは絶滅しやすい、天文学的なスケールに到達するまえに絶滅してしまうことが、知的生物の宿命であるという結論につながりうる。

こう考えると、ファーストコンタクトの可能性はかなり低い。絶望的と言っていいのかもしれない。だから、僕らは宇宙で孤独ではないかもしれないが、かなり貴重な存在なのだと自覚すべき。限界がある、他の知的生命とのコンタクトが絶望できであるという宇宙の中で、人類がなにを目指すべきかは思索するに値する課題。

この夜空の沈黙こそが、我々が我々の文明と文化を大切にしなければならないこたえなのだ。

沈黙というこたえ - HPO:機密日誌

その意味で、案外星の王子様のような宇宙旅行、宇宙交流という別な次元の限界のが遠いかもしれない。現在の4次元連続体、伝統的な物理科学の方法とは違う方面にファーストコンタクトの可能性があるのかもしれない。

ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く

ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く

こうした中で、タイムリーなニュースがあった。

私たちの宇宙の姿は「タテ・ヨコ・高さ」の3つの次元から出来ていますが、現代物理学の理論では、137億年前にビッグバンによって宇宙が誕生する前の極めて微小な空間には、ほかに6つの次元があったとされ、なぜ3つの次元になったのかが謎になっています。茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構などのグループは、ビックバンが起きる前に、9つあった次元がどのように変化したのか調べるため、独自の計算式によって、ことし2月から京都大学にあるスーパーコンピューターで分析を進めてきました。その結果、9つの次元のうち、「タテ・ヨコ・高さ」の3つだけが急速に膨張して、残りの6つの次元は膨張せずに小さいままとどまったことを、世界で初めて計算によって説明することに成功したということです。次元は宇宙空間の広がり方を決める基本的な材料とも言える存在で、さまざまな次元の実態が解明できれば、私たちの宇宙以外にも「別の宇宙」が存在するのかという謎にも迫れる可能性があります。

NHKオンライン

KEKら、超弦理論を活用して10次元宇宙から3次元宇宙が誕生する仕組みを解明 | マイナビニュース

あらためて今は亡きカール・セーガン先生のありうべき「コンタクト」の描き方に感銘を受ける。